2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of carnivory evolution
Project Area | Evolutionary theory for constrained and directional diversities |
Project/Area Number |
17H06390
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
長谷部 光泰 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 食虫植物 / フクロユキノシタ / モウセンゴケ / ハエトリソウ / 食虫性 / 進化 / オジギソウ / ムジナモ |
Outline of Annual Research Achievements |
[課題1.食虫性関連遺伝子の特定]フクロユキノシタ葉形態形成関連遺伝子のin situハイブリダイゼーションを行った。その結果、捕虫葉でも平面葉と同様に向背軸決定遺伝子が発現していることがわかった。詳細に捕虫葉の細胞分裂様式を観察した結果、最初に向軸側L1層の細胞分裂が背軸側よりも停滞し、その後、内側の細胞層の細胞分裂も停滞することで、向軸側が窪んだ構造が作られるらしいことがわかった。また、サイトカイニンの外生投与によって捕虫葉形成温度で平面葉が誘導されることを発見した。アグロバクテリウム法による形質転換系確立のため、フクロユキノシタの植物体再生系を確立したが、感染効率が低く形質転換には成功しておらず条件検討を続けている。フクロユキノシタゲノムのリシーケンス、HiC解析のための実験条件を検討し、サンプル収集を終了した。平面葉と捕虫葉の発生段階を区分けしそれぞれ段階でRNA-seq解析のための224サンプル収集を終了した。シングルセルトランスクリプトーム解析のための核単離法を検討し外見上ほぼ純粋な核の単離に成功した。ハエトリソウ、コモウセンゴケの発生段階による比較トランスクリプトーム解析を行い、食虫性関連遺伝子の発現変動解析を行った。さらにハエトリソウ、ムジナモ、コモウセンゴケのゲノム比較から、食虫性関連遺伝子がどのように進化したかを推定した。ハエトリソウとコモウセンゴケの捕虫葉発生段階における比較トランスクリプトーム解析から、食虫性進化について推定した。ハエトリソウの記憶機構がカルシウム変動によって担われているらしいことがわかったので論文作成の準備を行った。 [課題2.環境摂動による遺伝子発現応答の解析]384サンプルを収集した。自然界に無いような環境条件下で培養すると、平面葉でも捕虫葉でも無いような葉が形成されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大量サンプリングのための培養条件設定に時間がかかったため繰越して研究を行った。一部の培養条件ではまだ大量サンプリングができていないが、約半数のサンプリングを終えることが出来た。一方、ハエトリソウの研究、ゲノム比較の研究が予想以上にうまく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり研究を進める。
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Research Products
(6 results)