2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical communications in microbial interactions and development of useful bioactive ligands
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
17H06401
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
掛谷 秀昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00270596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60213253)
西村 慎一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (30415260)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 化学コミュニケーション / 天然物化学 / 複合培養 / 生物活性リガンド / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物が産生する二次代謝産物は、歴史上、有用なケミカルツール分子や創薬シーズになっている。しかし、これら二次代謝産物の本来の化学コミュニケーションに基づいた生物学的意義はほとんど解明されていない。そこで、本研究代表者らが見出した新規細胞膜シグナル制御物質5aTHQsおよび抗生物質ストレプトアミナール類を生産可能な放線菌Streptomyces sp. HEK616とTsukamurella pulmonis TP-0596の複合培養系に着目し、Streptomyces sp. HEK616における両化合物群に共通する生合成遺伝子クラスターを同定した。さらに、5aTHQsの単剤あるいは類縁体の併用による抗真菌活性の検討および作用機序解析に適した蛍光分子プローブ5cTHQ-Esの設計・創製を行った。また、耐熱性放線菌が生産する熱ショック代謝産物(HSM)研究に関して、約10種類のHSMの単離・構造解析を行った。さらに、低酸素誘導因子HIF-1活性化経路阻害剤ベルコぺプチン生産放線菌および新規シデロフォア・クロロカテケリン生産菌KUSC-のドラフトゲノム解析を行い、生合成遺伝子クラスターの探索・検討を行った。 一方、領域内連携を活用して、ベルコペプチンの細胞内化学シグナルの解析のためのプローブ合成およびケミカルプロテオミクス解析を行うとともに、β-カテニン遺伝子活性型変異がん細胞選択的アポトーシスを誘導するリガンドとしてDS37を見出した。さらに、ショウガ科ウコン由来のポリフェノール化合物であるクルクミンのプロドラッグ型水溶性化合物CMGがオキサリプラチン抵抗性の大腸がん細胞株を用いたマウスXenograftモデルにおいて抗がん作用を有することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微生物の複合培養系のモデル系として、Streptomyces sp. HEK616とTsukamurella pulmonis TP-0596の系を用いて、5aTHQsおよびストレプトアミナール類の生合成遺伝子クラスターを同定することができ、5aTHQsの単剤あるいは類縁体の併用による抗真菌活性の作用機序解析に適した蛍光分子プローブを設計し創製することに成功した。また、微生物間化学コミュニケーションの理解に有用な約10種類のHSMの単離・構造解析に成功した。一方、有用生物活性リガンドの開拓研究においても、β-カテニン遺伝子活性型変異がん細胞選択的アポトーシス誘導剤DS37や革新的プロドラグ型抗がん剤CMGの開発に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、下記の研究項目を設定し本研究課題を遂行する。 項目1:微生物間化学コミュニケーションの解析研究 Tsukamurella pulmonis TP-0596と当研究室保有の放線菌ライブラリーの複合培養系を試み、新規化合物生産系を確立し、生産メカニズムや生物活性発現機構の解析を行う。また、耐熱性放線菌が生産する熱ショック代謝産物(HSM)の生産メカニズムや生物活性発現機構解析を行うとともに、ベルコペプチンおよびクロロカテケリンなどの生合成経路の解析などを行う。 項目2:有用生物活性リガンドの開拓研究 ベルコペプチンなどの生合成解析研究および全合成研究などにより、構造活性相関研究を行うとともに、細胞内化学シグナルの解析を行う。また、β-カテニン活性変異がん、去勢抵抗性前立腺がんやなどの難治性がん、さらにはがん幹細胞を標的として領域内リソースなどを活用して、有用生物活性リガンドの探索研究を行う。さらに、プロドラッグ型水溶性化合物CMGの構造活性相関研究などを行う。
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Remarks |
(1)は、本研究代表者の主催研究室ホームページ
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Research Products
(44 results)
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[Journal Article] Identification of the common biosynthetic gene cluster forboth antimicrobial streptoaminals and antifungal 5-alkyl-1,2,3,4-tetrahydroquinolines2019
Author(s)
Taro Ozaki, Ryosuke Sugiyama, Morito Shimomura, Shinichi Nishimura, Shumpei Asamizu, Yohei Katsuyama, Hideaki Kakeya, Hiroyasu Onaka
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Journal Title
Org. Biomol. Chem.
Volume: 17
Pages: 2370-2378
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Theonellamide A, a marine-sponge-derived bicyclicpeptide,binds to sterol in aqueous DMSO: Solution NMR-based analysis of peptide-sterolinteractions using hydroxylated cholesterol.2018
Author(s)
Kimberly Cornelio, Rafael Atillo Espiritu, Shinya Hanashima, Yasuto Todokoro, Raymond Malabed, Masanao Kinoshita, Nobuaki Matsumori, Michio Murata, Shinichi Nishimura, Hideaki Kakeya, Minoru Yoshida, Shigeki Matsunaga
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Journal Title
Biochem. Biophys. Acta Biomembr.
Volume: 1861
Pages: 228-235
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Curcumin and its demethoxyderivatives possess p300 HAT inhibitory activity and suppress hypertrophicresponses in cardiomyocytes.2018
Author(s)
Yoichi Sunagawa, Masafumi Funamoto, Shogo Sono, Kana Shimizu, Satoshi Shimizu, Mai Genpei, Yusuke Miyazaki, Yasufumi Katanasaka, Eriko Morimoto, Morio Ueno, Maki Komiyama, Hideaki Kakeya, Hiromichi Wada, Koji Hasegawa, Tatsuya Morimoto
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci.
Volume: 136
Pages: 212-217
DOI
Peer Reviewed
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