2018 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスをベースにした化学シグナル解析技術開発
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
17H06412
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長田 裕之 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 副センター長 (80160836)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
|
Keywords | proteome analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
「ChemProteoBaseの拡充化・高度化、並びに、改変CETSAの開発」:昨年度に引き続き、ChemProteoBase(間接法)解析の精度向上のために、作用標的の明らかな標準化合物のプロテオーム解析を行い、ChemProteoBaseのデータベース拡充を行った。解糖系やTCA回路などのエネルギー代謝に関わるたんぱく質に着目して解析する手法を開発した。同定済みの274スポットのうち解糖系の24スポット8たんぱく質、並びに、TCAサイクルに関与する12スポット9たんぱくの薬剤処理による変動をスコア化して、簡便に評価できるシステムを作成した。本系を用いて、スクリーニングで得られた天然物並びに、化合物バンクの化合物を評価し、Unantimycin A, NPL40330がミトコンドリアに作用することを見出した(Biochim Biophys Acta, 1867: 28-37, 2019)。また、癌幹細胞様細胞を用いたスクリーニングによって取得された化合物NPD2381がセリン合成経路内の酵素の発現量を増加させることを見出し、ミトコンドリアを標的とすることを示した(FEBS Lett, 593:763-776, 2019)。昨年度、コントロール化合物を用いて2DE-CETSAの解析系を構築したが、スクリーニングで得られた化合物について解析を進めた。 「有用生物活性リガンドの開発」:細胞の代謝制御機構を標的とした標的ベースの探索、あるいは、セルベースの探索を行った。ユニークな化学構造をもつキノコの新規生理活性物質ヒトヨポディンAを単離した(Org Lett, 20: 6294-6297, 2018)。また、上記システムから得られた結果に基づく解析を行い、Unantimycin A, NPL40330の標的がそれぞれ複合体III、複合体Iであることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
作用標的の明らかな既知物質を用いたChemProteoBaseのデータベースの拡張やシステムの開発は順調に進んでおり、様々な標的に対応する可能性を高めている。これらの解析系を用いて生理活性物質を解析することによって、共同研究を通した幾つかの成果に結びついた(Biochim Biophys Acta, 1867: 28-37, 2019; FEBS Lett, 593:763-776, 2019; Mol Pharm, 16: 1423-1432, 2019)。また、2-D DIGEを利用した2DE-CETSAの解析系の構築については、スタンダードの化合物を用いた条件検討がすみ、その条件を用いて、探索研究で得られた化合物について解析を行った。、化合物の標的に対する実証実験も進みつつあることは、予想以上に計画が進んでいることを示している。さらに、系の構築を進め、今までのChemProteoBaseと組み合わせることによって、より多様な標的に対応した解析が可能となることが期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)引き続きChemProteoBaseの拡張のための既知化合物の解析を行うほか、スポットの同定情報を考慮した解析法を改良することによって、迅速でより情報量の多い結果を返すシステムの構築を行う。 2)2DE-CETSAの解析系については改良を行うことによって、より良い解析系を構築していく。新規化合物の解析に応用することによって、化合物の標的たんぱく質を明らかにすることを通して、解析系の有用性を示す。 3)有用生物活性リガンドの開発のために、化合物アレイによる標的ベース探索・細胞表現型に基づくセルベース探索を行い、そこで得られた化合物について、ChemProteoBase解析や2DE-CETSAの解析系を適応し、解析系の有用性を示すほか、新規化合物の標的を解析する。さらに、プロジェクト内の新規化合物の解析を行うことによって、プロジェクトに貢献する。
|
Research Products
(30 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Using BEAN-counter to quantify genetic interactions from multiplexed barcode sequencing experiments.2019
Author(s)
Simpkins SW, Deshpande R, Nelson J, Li SC, Piotrowski JS, Ward HN, Yashiroda Y, Osada H, Yoshida M, Boone C, Myers CL.
-
Journal Title
Nat Protoc
Volume: 14
Pages: 415~440
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
[Journal Article] Catenulisporolides, glycosylated triene macrolides from the chemically underexploited actinomycete Catenulispora species.2018
Author(s)
Son S, Hong YS, Futamura Y, Jang M, Lee JK, Heo KT, Ko SK, Lee JS, Takahashi S, Osada H, Jang JH, Ahn JS.
-
Journal Title
Org Lett
Volume: 20
Pages: 7234~7238
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
[Journal Article] Predicting bioprocess targets of chemical compounds through integration of chemical-genetic and genetic interactions.2018
Author(s)
Simpkins SW, Nelson J, Deshpande R, Li SC, Piotrowski JS, Wilson EH, Gebre AA, Safizadeh H, Okamoto R, Yoshimura M, Costanzo M, Yashiroda Y, Ohya Y, Osada H, Yoshida M, Boone C, Myers CL.
-
Journal Title
PLoS Comput Biol
Volume: 14
Pages: e1006532
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Pentaminomycins A and B, hydroxyarginine-containing cyclic pentapeptides from Streptomyces sp. RK88-1441.2018
Author(s)
Jang JP, Hwang GJ, Kwon MC, Ryoo IJ, Jang M, Takahashi S, Ko SK, Osada H, Jang JH, Ahn JS.
-
Journal Title
J Nat Prod
Volume: 81
Pages: 806~810
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-