2020 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of polycontinuous porous structure using surfactants
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
17H06467
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高見 誠一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40311550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 副研究部門長 (30356604)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 極小曲面 / ナノコンポジット薄膜 / 酸化ジルコニウムナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究により、マイクロメートル程度のサイズの枠構造上にZrO2ナノ粒子を含むポリマー水溶液の膜を形成・乾燥することで極小曲面の構造を持つナノコンポジット薄膜を形成することに成功した。このナノコンポジット薄膜は乾燥後の段階で67 wt%のセラミックスナノ粒子を含むが、さらに高濃度の膜が実現できれば、形成した膜を焼成することでセラミックスから構成され、極小曲面の複雑な形状を有する膜を形成することも可能となろう。そこで今年度は、より高いセラミックス濃度を持つナノコンポジット極小曲面の形成を試みた。まず既報の文献を参考とし、純水にZrO2ナノ粒子を添加し、ここに没食子酸プロピルを加え、さらにpHをアルカリ性にすることで、ZrO2ナノ粒子自体が界面活性剤として機能するナノ粒子分散液を調製した。このナノ粒子分散液を用い、これまでに極小曲面を形成した枠状への極小曲面の形成を試みたところ、溶液状態では極小曲面の形状の膜を形成することを確認した。この膜におけるZrO2ナノ粒子の濃度は90 wt%を超えるが、ここから乾燥をするとクラックが生じてしまうため、少量のPVAを添加してクラックの存在しないセラミックス膜の形成を試みた。その結果、クラックの存在しないセラミックス膜の形成が可能となり、乾燥後のZrO2ナノ粒子の濃度は82 wt%程度と従来よりも高い粒子濃度を実現した。また、ナノ粒子分散液を形成する溶媒としてエタノールを用いた所、緻密な膜は形成できなかったが、ZrO2ナノ粒子が数十マイクロメートル程度の球状の構造を形成し、これが堆積・乾燥して階層的な構造を持つ膜が得られることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としているセラミックスナノ粒子を高濃度に含む極小曲面の形成が可能となり、ポリマーの添加量の調整によりクラックの発生を抑制できることを確認したため。また、エタノールを溶媒として用いる場合には、多孔質の構造を有する極小曲面が形成され、様々な応用にが期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに高濃度のZrO2ナノ粒子を含むナノコンポジット材料の合成に成功したが、他の酸化物ナノ粒子では試していない。そこで、ZrO2以外のナノ粒子についてもナノコンポジット極小曲面薄膜の合成に取り組む。
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Research Products
(2 results)