Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 武俊 東京大学, 情報理工学系研究科, 助教授 (20272586)
稲邑 哲也 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (20361545)
長久保 晶彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (00357617)
山本 知幸 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助手 (90345653)
原田 達也 東京大学, 情報理工学系研究科, 講師 (60345113)
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Research Abstract |
人間とロボットが,実世界作業の中で臨機応変に意味レベルのインタラクションを達成することを目指して,本年度は,人間行動の情報構造解析・モデル化や認識器の学習データ蓄積のための行動計測・コンテンツ化・解析と,行動意味情報を抽出する認識・学習・制御手法の構築,および人間共同作業用柔軟ロボットの基本部分の開発を進めた. [行動計測・コンテンツ化・解析]個別技能の精密計測・解析から屋内日常行動全体の計測・蓄積,そして屋外も含む場所にとらわれない計測・解析までの3レベルに渡り,研究を推進した.精密レベルでは,陶芸の土練りの技能を題材とし,新たな基準座標系を導入することにより,素人と熟練者の動きの違いが,体幹の前後運動の高次モード化と腕の伸縮との位相差に現れることを解明した.また,行動情報の時間的分化を,振動モードの変化に関連させる理論を発展させた.屋内日常行動に関しては,室内における人の行動を計測・解析してコンテンツ化し,スキルや協調に関連した分節の構造のモデル化を行うことを目指し,取り巻き構成の部屋型日常行動計測環境の構築を進めた.また,屋外行動も視野に,ウェアラブルモーションキャプチャの開発を進めた.姿勢に加え,環境情報も同時に計測可能とする設計であり,すでに,基本要素を構築し,実験により性能を確認した. [行動意味情報の認識・学習・制御]動作認識の核となる,連続情報から有意味単位への分節化法に関し,力学系構造解析の考え方を導入し,分節点での動作時系列のダイナミカルモデルにより分節点を直接検出する手法を考案し検証した.また,動作および視聴覚情報の時系列パターンを観測し,複数のパターン間の類似性に基づいて,各パターンを位相空間上に抽象化された状態点として配置する記憶構造を構築した.これを用いて感覚運動パターンにアノテーションを行う基盤システムを構築した.また,観測した物体の三次元的配置構造を記憶構造に逐次追加し,確率的推論の枠組みを統合することで,対話的に記憶中の物体を参照しながら応答行動を生成するシステムを構築した.当初予定の「経験データベース用クラスタコンピュータ」には,分担研究者所属機関で新たに利用可能となった計算装置を充当し,相当分予算を次年度以後に予定していた下記インタラクション用ロボットに充当し研究を加速した. [人間共同作業用柔軟ロボット]備品として購入した「小型ヒューマノイドロボット用電装制御部品」を用いて,上記の記憶構造や応答システムのための実験環境の構築に着手した.また,多様で高度な動作能力と安全柔軟な人との接触動作を両立した上半身人間型ロボットの基本部分である腕部について,予算節約のため一括備品でなく個別部品の購入と組立により開発を行った.
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