2010 Fiscal Year Annual Research Report
知識社会経済システムの共創的発展とそのガバナンスに関する研究
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
18049023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 修 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10179286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀幸 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (30332589)
後藤 玲子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (10375355)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (60325529)
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Keywords | オープン・イノベーション / 医療情報 / ライフログ / 情報薬 / センサーネットワーク / 地域SNS / 電子行政 / ソーシャル・イノベーション |
Research Abstract |
本研究は、高速処理と高度なデータマイニングを可能にするデジタル・ネットワークを基盤として、オープン・イノベーションを通じた社会進化を促し、それを戦略的にガバナンスするために、理論的・実証的な研究を行い、具体的な政策提言を行うことを目的とした。とりわけ、先進的な情報システムを組み込んだ社会システムの課題について分析し、より調和的な制度、政策を構想することを目指した。 社会的重要性が大きく、境界を越えた価値共創について考察するために適した領域を研究フィールドに定めて、研究テーマを以下の3つの研究モジュールに分割した。 (1)センサーネットワーク予防医療 「情報薬」という新しい概念の現実世界への実装を初めて行い、収集した各種データの突合とそのマイニングによる評価を行うことを推進することにより部分技術のみならず全体サービスモデル像を示した。 (2)地域社会のソーシャル・イノベーション 地域SNS(Social Networking Site)を対象として、利用者間のネットワーク構造を明らかにしたほか、同サイトの内容分析により、地域社会への住民参画の要因として内発的動機付け及びソーシャル・グルーミングに特徴づけられる利用実態を明らかにした。 (3)パブリック・イノベーションの誘発 「電子自治体の総合的な目標達成度」を代理する変数を作成し、それを被説明変数に用いて、電子自治体の業績を高める組織的要因を検討した。さらに、利用者の認知・構造パターンを組み入れた共分散構造モデルを構築して電子行政の「有効性」とアウトプットの「サービス品質」との関係について、実証的に検討した。 各モジュールに共通する概念と基本的な技術・組織・政策の検討を行い、モジュール間相互の連携を保ちながらモジュールごとに研究を進め、センサーネットワーク予防医療の実証実験を基盤にして、社会システムのオープン・イノベーションを促すための方策について検討した。
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Research Products
(5 results)