2008 Fiscal Year Annual Research Report
相互適応可能な実世界インタラクションのための計算モデル・システムの構築
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
18049046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松山 隆司 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (10109035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 宏彰 京都大学, 情報学研究科, 講師 (40346101)
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Keywords | 実世界インタラクション / ハイブリッド・コンピューティング / プロアクティブ / 相互適応 / マルチモーダル / 話者検出 / 対話分析 / 留守番電話 |
Research Abstract |
本研究は、インタラクションの動的側面に焦点を当て、「息の合った」、「間合いの取れた」ヒューマン/マシン・インタラクションを実現するための計算モデルおよび、それに基づいた実世界インタラクションシステムの開発を目的としでおり、平成20年度は以下の研究を実施した。 1. 口唇動作と音声のタイミング構造に基づく話者検出 : 人の発話における口唇動作と音声変化との間に存在する時間的構造(タイミング構造)をモデル化し、単一のカメラとマイクを入力とする場合でも高精度な話者検出が可能な手法を開発した。 2. 対話相手の心的状態を顕在化する働きかけとその効果の分析 :.昨年度に提案したMind Probingは、システムが人に対してproactiveに働きかけを行い、それに対する反応を観察することで、能動的に心的状態を推定する枠組みである。この具体的設計を行うために人間同士の対話を分析した結果、顔向けを伴う働きかけが、相手の同意と不同意の場合の応答タイミングを顕著に変化させるという知見を得た。 3. Hybrid Dynamical System対による「間の合った」対話のモデル化 : 昨年度までに提案したHybrid Dynamical System(以下HDS)を発話生成システムとして用い、これらHDS対の結合による対話モデルを構築した。このとき、一方のHDSが他方のHDSに同調するパラメータを導入することで、人間同士の対話における発話長分布を近似できることを確認した。 4. 対話の時間的構造に着目した聞き上手な留守番電話の設計 : 対話の導入部や中間部といった各フェーズでの応答を変化させることで、ユーザの発話を引き出すような聞き上手な対話システムの設計を行った。具体的状況として留守番電話の応答を想定した被験者実験を行い、ユーザのメッセージの残しやすさが改善されることを確認した。
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Research Products
(9 results)