2010 Fiscal Year Annual Research Report
言語政策に役立つ,コーパスを用いた語彙表・漢字表等の作成と活用
Project Area | Compilation of a balanced corpus of written Japanese: Infrastructure for the coming Japanese linguistics |
Project/Area Number |
18061008
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
田中 牧郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (90217076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 正夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 教授 (80167767)
斎藤 達哉 専修大学, 文学部, 准教授 (90321546)
棚橋 尚子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (20272271)
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Keywords | 国語学 / 言語学 / 言語政策 / 国語教育 / 国語政策 / コーパス / 語彙 / 漢字 |
Research Abstract |
はじめに、共通データとして、小学校・中学校・高等学校の全学年・全教科を対象とした「教科書コーパス」を作成し、これと「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を比較した、語彙表・漢字表を数種類作成し、電子媒体で公開した。その上で、次の五つの観点から研究を実践した。 (1)難解用語の抽出と言い換え 語彙頻度に基づく語彙レベルと、コーパス間の頻度比較に基づく特徴度を用いて、特定専門分野を対象とした難解語・重要語を抽出し、それを分かりやすく言い換える応用研究を実践した。 (2)現代社会に対応した漢字表の在り方とは コーパスを形態素解析したデータに基づく漢字表を作成し、漢字と語彙との関係を考察し、個々の漢字の固有名詞への傾斜度をもとに、漢字政策に新たな視点を持ち込む見通しを得た。 (3)コーパスを用いた語彙指導 教科別の特徴語を特定したり、生徒作文で用いられる語彙が一般的な書き言葉のどの位置を占めるのかといった分析を行ったりして、中等教育における語彙指導に新しい方法を持ち込む可能性を示した。 (4)コーパスを用いた漢字指導 小学校教科書を用いて、教科に特徴的な漢字を抽出し、教科特徴漢字に配慮した漢字指導の在り方を提言し、授業実践を行った。 (5)コーパスを用いた作文指導 高校生に対する課題作文の指導にあたり、課題語彙と共起する語句を与えたり、当該語彙を用いた文例を集めた「テーマ語彙集」を用いたりして、新しい作文指導の方式を提言し、授業実践を行った。
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Research Products
(9 results)