2007 Fiscal Year Annual Research Report
気象擾乱による大気-海洋系物質循環および海洋生態系の応答
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山中 康裕 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (40242177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜野 伊津志 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70142099)
相田 真希 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 技術研究副主任 (90463091)
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Keywords | 海洋生態系モデル / 対流圏物質輸送モデル / 鉄循環 / ダスト / NOx / 大気海洋相互作用 / SOLAS / 台風 |
Research Abstract |
大気モデルから得られた全球ダスト・データを利用して、昨年開発された鉄循環過程を全球モデルに導入した(NEMURO+Fe全球版)。赤道域と南太平洋の生物量は、鉄循環を導入する以前は観測された濃度に比べて大幅な過大評価であったが、導入することによってかなり観測されたものを再現できることが分かった。さらに、NEMURO+Fe全球版から得られたクロロフィルaと混合層深度の全球分布から、Simo and Dachs(2002)を用いた海洋表層中のDMS濃度を推定することを試みた。DMSの年平均された全球分布はそれなりに観測されたものを再現したが、その季節変化は、海洋混合層深度が観測値よりも浅く再現されているために、夏から秋にかけて過大評価となった。 また、計画班A03-4との共同研究として、台風による理想的な風応力を与えた場合の簡単な生態系の応答を調べる数値実験、および、計画班A03-3との共同研究として、台風通過にともなう生態系応答培養実験の結果を再現する数値計算、等に着手した。 海域における黄砂の沈着量の推定程度は、黄砂の発生・輸送モデルの性能に大きく寄っている。その精度を向上されることを目的として、黄砂の発生・輸送予測モデルに、ライダー観測データを利用したデータ同化手法を開発し、2007年春季に中国から日本各地で観測された高濃度の黄砂現象について適用して調べた。その結果、日本国内のライダー観測データをモデルに同化することで、黄砂発生量の最適化が可能となった。今回開発された手法は、アジア域の黄砂発生・輸送モデルの精度大きく向上させることが期待され、海域への鉄の供給量の推定に活用できる。 数多くの国際学会で、これらの成果を発表した。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Numerical study of the atmospheric input of anthropogenic total nitrate to the mariginal seas in the western North Pacific region2007
Author(s)
Uno, I., M. Uematsu, Y. Hara, Y. J. He, T. Ohara, A. Mori, T. Kamaya, K. Murano, Y. Sanada, and H.Bandow
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Journal Title
Geophys. Res. Lett. 34
Pages: L17817
Peer Reviewed
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