2006 Fiscal Year Annual Research Report
空間不均一を伴う高分子系のミクロからマクロにわたる動力学理論
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (20214596)
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Keywords | 高分子 / 不均一構造 / 粗視化モデル / 自己無撞着場理論 / 動力学 / ミクロ相分離 / 相転移 / メソスケール |
Research Abstract |
高分子に代表されるソフトマター系の空間的な不均一構造とその動力学を、粗視化モデルを用いて解析した。ブロック共重合体の構造相転移の動力学 ・外場によるジャイロイド相の構造相転移: ブロック共重合体のジャイロイド構造からシリンダ構造への転移の動力学を、高分子の配位の自由度を取り入れながら相分離の動力学を計算することのできる動的自己無撞着場理論を用いて解析した。電場を印可した場合とずり流動を印可した場合で全く異なる運動経路をたどることが示された。特に、電場印可の場合には、5点分岐の中間構造が生成されることや、この中間構造が中性子散乱によって確認されている未解明の準安定構造の1つに対応していることが示された。 ・高精度・高速な粗視化モデルの開発: 動的自己無撞着場理論の持つ高い計算精度とGinzburg-Landau理論の持つ計算の効率性の両立を目指して両者の混合手法を開発した。新しい方法では、従来の動的自己無撞着場理論に比べて、計算制度を損なうことなく数倍〜10倍程度の高速化が可能であることが示された。 ・マルチブロック共重合体のミクロ相分離構造およびモルフォロジー変化: 望みの相分離構造を生成するブロック共重合体のセグメントシークエンスを予測する手法を開発し、1次元系で検証を行った。 これら以外に、以下のテーマについても成果を上げた。 ・側鎖を持つ高分子濃厚系の粘弾性特性 ・不均一ゲルの粘弾性特性 ・ラメラ瞭とゲルと粒子の混合系の構造形成
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Research Products
(2 results)