2007 Fiscal Year Annual Research Report
空間不均一を伴う高分子系のミクロからマクロにわたる動力学理論
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
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Keywords | 高分子 / 不均一構造 / 粗視化モデル / 自己無撞着場理論 / 動力学 / ミクロ相分離 / 相転移 / メソスケール |
Research Abstract |
1.薄膜中に拘束されたブロック共重合体の構造相転移の動力学 静的SCF理論を用いて、2つの平行平板間に閉じ込められたジブロック共重合体のHPL構造を安定に生成し、この構造に対して電場を印加することで構造相転移を誘起させた。転移が生じるまでの誘導時間と外部電場の強さの間にはべき的な関係があることや、ブロック共重合体の分子構造および壁面との相互作用の強さによって、HPL構造の安定性に違いがあることなどが解明された。 2.重合反応を伴うミクロ相分離系の動力学 ブロック共重合体とモノマーの混合系において重合反応が進行する系では、ミクロ相分離構造の形成・構造変化と重合反応がカップルした構造形成の動力学が見られる。ブロック共重合体のミクロ相分離構造を予測・設計するために導入した自由エネルギーモデルを用いることで、反応末端の空間分布を正確に反映した重合反応をシミュレートした。ミクロ相分離が生じることで重合反応が促進されることがわかった。 3.絡み合い高分子系のシアバンド構造形成の理論 絡み合い高分子系の粘弾性特性により発生するシアバンドのような空間不均構造の粗視化理論を構築し、この系の振る舞いが熱力学的な相転移の記述と同様の変分原理によって記述されることが確かめられた。 4.紐状ミセル系の絡み合い動力学 紐状ミセル系に対して、絡み合いに一定の寿命があるというモデルで記述し、DPDシミュレーションを行った。ずり速度とともにずり粘度が一時的に増加するshear thickeningが見られた。
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