2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間不均一を伴う高分子系のミクロからマクロにわたる動力学理論
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
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Keywords | 高分子 / 不均一構造 / 粗視化モデル / 自己無撞着場理論 / 動力学 / ミクロ相分離 / 相転移 / メソスケール |
Research Abstract |
1. トリブロック共重合体薄膜の構造形成 動的自己無撞着場理論を用いて、A-B-Aトリブロック共重合体の薄膜を形成し、薄膜の厚みやセグメントと壁面の相互作用パラメタを系統的に変えることでミクロ相分離構造の変化をしらべ、さらに外部電場を印可することで構造相転移の挙動を調べた。ジブロックの相図に比べて、相図全体が相互作用の強さζに関してシフトした構造になった。また、電場を印可することにより臨界現象的な振る舞いが観測された。 2. 流体力学効果を取り入れた動的自己無撞着場理論 相分離の後期過程において流体効果は構造形成に大きな影響を与える。我々は動的自己無撞着場理論とナビエーストークス方程式を組み合わせることで、流体効果を動的自己無撞着場理論に取り入れた。ブロック共重合体の一様混合状態からのミクロ相分離過程にこのモデルを適用したところ、球状、円筒状および層状の各構造については、流体効果のために長距離秩序を持った相分離構造が得られた。一方、ジャイロイドのような複雑なネットワーク構造を持つ系の場合には流体効果は顕著でなく、相分離構造における長距離秩序を達成することは出来なかった。 3. 粒子-連続場のハイブリッドによる高分子濃厚系のシミュレーション手法の開発 高分子のミクロな化学的性質を取り入れつつメソスケールの相分離構造を計算するためには、高分子の分子描像と連続体描像を組み合わせたハイブリッド描像を提案し、高分子濃厚系およびブロック共重合体メルトに対して適用することで、我々のモデル化の正当性を検証した。
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Research Products
(12 results)