2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間不均一を伴う高分子系のミクロからマクロにわたる動力学理論
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
|
Keywords | 高分子 / 不均一構造 / 粗視化モデル / 自己無撞着場理論 / 動力学 / ミクロ相分離 / 相転移 / メソスケール |
Research Abstract |
1.粒子-連続場のハイブリッドによる高分子濃厚系のシミュレーション手法の開発 高分子濃厚系およびブロック共重合体メルトに対して粒子-淫続場ハイブリッド描像によるモデルを構築し、応力場を計算する手法を開発した。このハイブリッド手法の並列化を実行することで計算スキームの高速化を実現し、生体膜構造のような大規模系のシミュレーションに成功した。 2.紐状ミセルのハイブリッド・シミュレーション 紐状ミセル溶液を効率よくモデル化するために、ミセル成分と溶媒分子を粒子と連続場で表現するというハイブリッドモデルを開発し、粒子間相互作用を膜の曲げ弾性モデルから導出した。 3.高分子を内包した生体膜のハイブリッド・シミュレーション 高分子鎖を内包した生体膜の構造をシミュレートするために、生体膜をフェーズフィールド理論で表現し、高分子の自己無撞着場理論と結合させたモデルを開発した。 4.環状高分子系の統計力学とシミュレーション (1)環状DNAの溶液中での拡散定数をブラウン動力学によって数値的に評価した。 (2)シータ溶液中の環状高分子および結び目高分子の2点相関関数を数値的に評価し、この結果に基づいて、結び目高分子が新しい臨界的振る舞いを示すことを提案した。 (3)環状高分子メルト中での環状高分子の慣性半径を格子模型の数値シミュレーションにより定量的に評価し、重合度依存性を明らかにした。 (4)絡み目確率のゴム弾性への応用。ゴムを環状鎖の集合とみなすことにより、ゴム弾性の応力・歪関係における非線形項がトポロジー効果によって説明できることを示した。
|
Research Products
(7 results)