2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマターにおける連鎖構造・ネットワーク構造のダイナミクスとレオロジー
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
瀧本 淳一 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50261714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 智則 山形大学, 大学院・理工学研究所, 准教授 (60261715)
谷口 貴志 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60293669)
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Keywords | 絡み合い / レオロジー / 2次元高分子 / 化学ゲル / ジャイロイド / 剛体平板粒子系 / 脂質膜 / 膜内相分離 |
Research Abstract |
1.高分子の絡み合いネットワーク(滝本) : (1)これまで開発して来たスリップリンクモデルに基づくシミュレーション手法では、分子鎖全体の伸縮のみ考慮していた。新たにからみあいセグメント内の局所運動(ラウス緩和時間より速い運動)を取り入れ、高速流動下での実験との不一致が改善することを示した。(2)絡み合いの無い2次元高分子では、定常流動・動的粘弾性まで含め、線形レオロジーはラウスモデルと(少なくともも見かけ上は) よく一致することを示した。(3)ポリ酢酸ビニル(PVA)と珪酸ナトリウム(SS)の混合水溶液から形成する物理ゲルでは、PVAのネットワーウ構造をSSが補強し弾性率が向上することを示した。 2.ジブロック共重合体のネットワーク構造(滝本):ブロック共重合体の動的性質をしらべるにはDPD法が有力なシミュレーション手法の一つと考えられているが、ジャイロイド等のネットワーク構造は形成に時間がかかるため、形成に成功した例はない。我々は、ジャイロイド構造を誘起するポテンシャルを印加することで、簡便にジャイロイ1ド構造が形成出来ることを示した。 ;3、剛体平板粒子系が作るネットワーク構造(香田):液晶相を含めた相図作成のため、モンテカルロ法により自由エネルギーを評価する手法の開発を継続している。従来法に比べ大幅な計算時間の短縮は可能になったが、液晶相の自由エネルギーの評価には至って居ない。 4. 2成分膜の相分離ダイナミクス(谷口):本特定:領域の今井グループとの共同研究で、2種類の脂質の混合系が形成するベシクルの膜内相分離のダイナミクスを調べている。2つの成分がそれぞれ単独で作る膜の弾性率が異なる場合、相分離の進行により膜の弾性率も場所依存性を持つ。この効果を取り入れると、ベシクルの長軸と垂直方向に相境界が並ぶ異方的な相分離が生じることをシミュレーションにより示した。
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Research Products
(7 results)