2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 充弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (00175390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 耕三 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00232439)
遠藤 仁 東京大学, 物性研究所, 助手 (40447313)
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Keywords | 動的光散乱 / 光子相関法 / 中性子スピンエコー法 / 高分子ゲル / ポリロタキサン / 疎水性相互作用 / ゾルゲル転移 / 環動ゲル |
Research Abstract |
複雑な新奇高分子ゲルの「高分子ゲル物理」を開拓することを目的とし、可視光域での光子相関法、および中性子スピンエコー法の併用、高分子ダイナミクス理論の援用などにより、実験・理論の両面からゲルの構造とダイナミクスの研究を展開した。(1)化学架橋と紫外線架橋の2種の架橋法を用い、分子鎖上に異なる荷電基分布をもつ4種のゲルを調製し、そのダイナミクス、不均一性、膨潤度測定を行った。そして、荷電基分布の違いが物性に及ぼす影響について解析し、対イオン凝縮に基づく理論から説明した。(2)疎水性雰囲気をもつポリロタキサン水溶液のゾルゲル転移についての研究を行った。その結果、温度可逆的なゾルゲル転移が起こること、温度の上昇に伴って疎水性相互作用由来のクラスタリングが起こることなどの知見を得た。(3)動的光散乱光子相関法により、環動ゲルの環動モードの特定化を行った。(4)2様分布をもつ高分子溶液系の光子相関実験における定量的解析法を提案した。(5)散乱法からみた、高分子ゲルの普遍性と個別性について系統的な研究を行い、ゲルの分類を行うと共に普遍的性質について帰納的議論を行った。 こうした研究から、ゲル全体のダイナミクス、高分子鎖ダイナミクスに加えて、架橋点のダイナミクスなどの多彩なダイナミクスを内包する「マルチダイナミカルマテリアル」としてのゲルに見られる様々な興味深い物理現象について系統的な研究を展開した。
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Research Products
(7 results)