2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土井 正男 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (70087104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥薗 透 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (10314725)
山上 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80376491)
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Keywords | 乾燥プロセス / 薄膜 / ゲル化 / シミュレーション |
Research Abstract |
微小な液滴の乾燥過程の制御は近年注目されているインクジェット印刷技術の様々な応用において重要となる。特に、乾燥後の残留物の平坦性の確保は、現在、この分野における主要な課題のひとつである。本研究では、液滴の乾燥過程で生じる微小な流動現象の物理的基礎を明らかにするために、接触線が固定された比較的単純な系に対象を限定し、以下のような研究を行った。 1.高分子溶液の蒸発に関してゲル化による弾性効果を考慮した理論的な考察を行い、気液界面での溶媒の蒸発速度が、高分子溶液のゲル化に伴い、急激に減少することを示した。それと同時に、溶液中での高分子の協同拡散係数が急激に増大することを示した。 2.隔壁をもつ基板上での乾燥実験を行い、乾燥後の残留物の形状が、液滴の初期体積および高分子の初期濃度に依存して、4つのパターンに分類されることがわかった。また、実験結果を解析することにより、溶液内の局所的なキャピラリー数(粘性力と表面張力の比)が乾燥後の膜(残留物)の最終形状に影響を与えることを示した。 3.高分子濃度の拡散と流体の流れ場を考慮したモデルを構築し、2次元系での数値シミュレーションを行った。このモデルでは、理論的に得られた蒸発速度の高分子濃度依存性を考慮し、粘性係数の濃度依存性に関する現象論的な表式を用いた。隔壁をもつ基板上での乾燥過程のシミュレーション結果と上記の実験結果とを比較し、膜厚の時間変化および膜の最終形状の初期値依存性について、実験と矛盾しない結果を得た。
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Research Products
(15 results)