2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲスト成分が誘起するソフトマターメソ構造の相転移ダイナミクス
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068007
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
今井 正幸 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60251485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 剛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80271500)
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
|
Keywords | ソフトマター / モデル生体膜 / 両親媒性分子膜とコロイド複合系 / 構造化表面 / 接着 / 両親媒性分子膜と高分子複合系 / 濡れ転移 / シミュレーション |
Research Abstract |
本グループは、異種なソフトマターを混合するなど系をエキゾチックな状態において、その状態で観察される特異な現象の理解とそれを用いたメソ構造の制御を目指すものである。以下の3つのテーマについて研究を進めた。 (1)脂質膜中でのナノスケールの物質の拡散係数を中性子スピンエコー法により測定する事に成功した。ナノスケールでは、拡散係数は拡散物質の大きさに殆ど依存せず、その振る舞いは2次元膜の流体力学的相互作用を考慮したSaffman-Delbruckモデルで非常に良く表される事を世界で初めて示した。 (2)ソフトマターのようにダイナミクスが著しく異なる動的に非対称な成分の混合物では、いわゆる粘弾性相分離現象が見られる。この相分離では、相分離によりもたらされる変形速度が、物質固有の力学的緩和時間を超えるため、力学的な力のバランスがパターンを支配する。我々は、深いクエンチのもとで過渡的ゲルの破壊により相分離が進行する破壊型相分離現象を発見した (3)表面に凸凹などの構造がある構造化表面では、元々の表面が撥水性であると、表面構造のために腰水性が飛躍的に高まることが知られている。本年度は、与えられた形状に応じて接触角が決まる理論を構築し、この理論からどのような条件で履歴の大きさがきまるか明らかにしてきている。また、構造化表面に浸透した液体薄膜の界面不安定性についても研究を行った。
|
Research Products
(14 results)