2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲスト成分が誘起するソフトマターメソ構造の相転移ダイナミクス
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068007
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
今井 正幸 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60251485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
奥村 剛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80271500)
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Keywords | ソフトマター / モデル生体膜 / 両親媒性分子膜とコロイド複合系 / 構造化表面 / リピッドソーティング / 両親媒性分子膜と高分子複合系 / 濡れ転移 / シミュレーション |
Research Abstract |
本グループは、異種なソフトマターを混合するなど系をエキゾチックな状態において、その状態で観察される特異な現象の理解とそれを用いたメソ構造の制御を目指すものである。以下の3つのテーマについて研究を進めた。 (1)幾何学的形状の異なる2種類の脂質を混合させた場合、その幾何学的なフラストレーションにより様々なベシクルの変形が誘起される。その中でも、コーン型脂質とシリンダー型脂質を混合したベシクルでは温度サイクルにより孔が形成されるとともに、孔の縁に膜がロールした様な構造が形成される。このロール状膜構造が確かに脂質2分子膜の内膜と外膜の幾何学的非対称性によって引き起こされている事を、中性子小角散乱のコントラストマッチング法により明確にし、生体膜におけるリピッドソーチングの存在を実験的に検証した。 (2)コロイド分散系においてソフトマターにおける重要な非エルゴート状態の一つであるゲルの形成について、共焦点レーザ顕微鏡によるに一粒子レベルの観察を行った。ゲル化におけるダイナミクスの凍結に局所安定構造の形成が重要な役割を演じていることを明らかにするとともに、メゾスコピックな構造内の動的な不均一性が明らかにされ、隣接粒子数の少ない表面部とそれが多い中心部という空間的な特徴との相関が明らかになった。 (3)マイクロパターンを持つ表面は、濡れ性をはじめとする様々な観点から工学的応用が期待されている。浸透現象についてアスペクト比が小さい表面を持った表面を使った実験を行い、従来とは異なるべき乗則を得た。さらに、三角状の起伏をもつ構造化表面のうえでの接触角履歴に関し、粘性散逸とは異なる物理的起源による定量的でシンプルな理論を構築した
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Research Products
(28 results)