2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Coupling of phase growth dynamics and entanglement dynamics during phase separation process
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
WATANABE Hiroshi Kyoto University, 化学研究所, 教授 (90167164)
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Project Period (FY) |
2006 – 2010
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Keywords | 高分子ブレンド / 構造成長ダイナミクス / 絡み合いダイナミクス / カップリング / 誘電緩和 / 粘弾性緩和 |
Research Abstract |
(1) 背景 凝縮系中の高分子鎖の長時間ダイナミクスは、絡み合いに支配される。均質ホモポリマー系の絡み合いダイナミクスは、管モデルによってかなり良く記述される。しかし、ブレンド系などの不均質系では、組成分布に伴って絡み合い点間分子量M_eと局所摩擦ζが空間的に分布し、さらに、相構造が鎖の運動に対する排除領域として働くため、絡み合いダイナミクスの分子描像が十分には確立されていない。特に、相分離過程においては、鎖のダイナミクスが相の成長過程を支配し、同時に鎖のダイナミクスを支配するM_e、ζの空間分布と排除領域の状態は相構造で決定される。このように構造成長のダイナミクスと強くカップルした絡み合いダイナミクスに対する分子描像は、不明のまま残されてきた。 (2) 目的 本研究の目的は、このような相構造形成過程における絡み合いダイナミクスと構造成長のダイナミクスについて実験的な知見を累積し、空間的尺度が異なるこれらのダイナミクスの間のカップリングに対する分子描像を確立することにある。 具体的には、A型双極子を有し鎖全体の運動が誘電活性となるシス-ポリイソプレン(PI)を含むブレンド系、および、結晶性高分子系を対象として、鎖の絡み合いダイナミクスを粘弾性・誘電測定などの手法により検出し、構造成長のダイナミクスをX線・光散乱測定により検出する。得られた結果を比較して、これらの2種のダイナミクスのカップリングの詳細を明らかにする。 本研究は、これまでに行われてきたPIの誘電緩和についての研究を発展させたものである。種々の測定によって絡み合いダイナミクスを多角系に検出し、構造成長のダイナミクスとのカップリングを分子論的に明らかにしようとする着想は、本研究の独創である。
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