Research Abstract |
水和モデルの精密化(多層水和,2種水和の競合など)を図り,鎖の立体規則性とLCST相分離,ゾル-ゲル転移,ゲルの体積相転移との関連を徹底して解析した(田中),種々の末端基を導入したPNIPAMを合成し(Winnik),グロビュール転移温度,LCST曲線の測定から末端基架橋と主鎖の水和との相関を解明した(田中,Winnik). メタノールなどの第二溶媒混合による貧溶媒化を「競合する連鎖性水素結合」という観点から理論解析し,コイルーグロビュール転移,相分離,体積相転移に及ぼす「共貧溶媒性」の影響を解明し,溶媒シリーズとして体系的に整理した(田中,Winnik). ゾル-ゲル転移は相転移かどうかという問題について多くの研究者の間に混乱がある.例えばDSC測定の吸熱ピークとゾル・ゲル転移とを直結させるのは短絡過ぎる,典型的な系をモデルにしてゾル-ゲル転移の熱力学的な特性を理論的に解析した(田中). 5~10%wt濃度のテレケリックPNIPAM水溶液のレオロジー的性質を,非線型領域に注目して理論(田中),実験(金田),シミュレーション(古賀)の3視点から総合的に研究した,特に,法線応力の振る舞い,剪断シックニング,歪み硬化,応力極大などの興味深い現象を,分子レベルの情報を一意的に結びつけ,レオロジー的性質を発現するような高分子の分子設計原理を探索している. 紐状ミセル溶液の粘弾性緩和の分子機構と絡み合いトポロジー相互作用との関係を調べ,濃度とともに短縮される緩和時間の物理的なメカニズムを解明した.
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