2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 隆夫 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (50127990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 潤 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10200809)
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Keywords | 非平衡系 / ソフトマター / メソスケール / 制御 / ダイナミクス / 輸送 / 動的結合 / 長距離相互作用 |
Research Abstract |
本研究課題では、内部自由度の運動や輸送によって階層構造を発現するソフトマターにおいて、非平衡性としての"運動"と"構造"の動的な結合のメカニズムを、理論・実験の両面から明らかにすることを目的としている。すなわち、外場によるメソスコピック構造の非線形応答、非線形粘弾性や、メソ構造とゲスト粒子との相互作用を調べることにより、新しい構造の探求、階層性をもつダイナミクスの普遍性を解明する。本年度は、理論的に(1)特異なトポロジー構造をもつジャイロイドの粘弾性理論を発展させた結果、ドメインの変形とそれに伴う濃度の緩和によるレオロジーを明らかにした。また、(2)半剛直な高分子の複素弾性率を解析的に計算した結果、高振動数領域での新しい振る舞いを予言し、スケーリングの解釈に成功した。さらに、(3)ベシクルの形状不安定性を、ベシクル脂質分子と環境との化学反応キネティクスから理論的に説明した。また、(4)メゾスケールでの非非線形非マルコフ過程のゆらぎの定理を導出し、記憶関数が時間のべき関数のときのゆらぎの定理の成立条件を明らかにした。実験的には、(5)液晶秩序を用いた分子マニュピレータの新しい原理を考案した。光官能性アゾ液晶を用いたプロトタイプ試作し、蛍光性の高分子を凝集させることに成功した。(6)全フッ素化液晶と炭化水素液晶混合系で、ネマティック秩序中にミクロ相分離の膜状会合体が層状に積み重なったネマティックラメラ相を発見した。ミクロ相分離のトポロジーと液晶秩序の競合による、さらなる新しい相の発見が期待できる。(7)高分子安定化ブルー相において、欠陥凍結による新しいタイプの非平衡過冷却相のダイナミクスを明らかにした。
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Research Products
(24 results)