2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 隆夫 京都大学, 理学研究科, 教授 (50127990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 潤 京都大学, 理学研究科, 教授 (10200809)
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Keywords | メソスコピック構造 / 自己推進 / 穴あきラメラ / 配向秩序 / ずり流動 |
Research Abstract |
メソスコピック構造からの非線形応答、非線形粘弾性理論については、非平衡伝搬パターンに対する外力による引き込み、フィードバック効果に対する理論などを進展させた。また、自己推進するソフトマター系のモデル方程式を導入し、内部自由度の構造と運動が結合することに起因する様々な動的形態を明らかにした。特に、空間3次元では回転運動の他にヘリカルな運動が安定に存在することを世界で最初に示した。 実験的には、片側の側鎖を完全フッ素鎖に置換した液晶(BI)と通常の液晶(7CB)の混合系で穴あきラメラネマティック(PLN)相を初めて発見した。粘弾性測定からは、N-PLN相転移でN-L(SA)転移と同様に、2次相転移として連続的層圧縮弾性率が出現する。X線折回折でもPLN相では層構造の存在が確認できるが、同時にN相由来のブロードなハローも観測され、スメクティック層状構造とネマティック配向秩序の2つがミクロ相分離構造内に共存していることがわかった。また、高温で分子が層面に垂直なスメクティックA(SmA)相、低温で分子が傾斜しているスメクティックC(SmC)相となる、2次相転移点近傍でずり流動場効果を研究した。低温のSmC相において、ずり歪をを印加するとSmC相は容易に流動し、層面を流動場に平行に保ったまま、Cダイレクターも流動方向に揃って一様配向状態となる。しかし、印加ずり歪をさらに増大させると、予想に反して流動誘起SmC-SmA転移が誘起され、複屈折による透過光がOとなった。横軸をずり速度、縦軸にSmA-SmC転移温度を描いた「動的相図」に示すことができる。ずり流動によって層面内の対称性が破れられるにもかかわらず、液晶は高い対称性を持つSmA相に転移すること発見した。
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Research Products
(3 results)