2007 Fiscal Year Annual Research Report
リオトロピック秩序系における流動場誘起構造転移のダイナミクス
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068016
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 直 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30142003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好村 滋行 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90234715)
川端 庸平 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 助教 (50347267)
藤井 政俊 首都大学東京, 島根大学医学部, 准教授 (60183927)
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Keywords | リオトロピック相 / 秩序系 / 流動場 / 相転移 / レオロジー / 中性子小角散乱 / X線小角散乱 / 小角光散乱 |
Research Abstract |
両親媒性分子が形成するリオトロピック相と呼ばれる秩序系は,流動場によってしばしば劇的な相転移や構造転移を起こし,最近特に多くの注目を集めているが,現時点ではまだ実験結果集積の段階であり,転移機構の解明にはほど遠い状態である。われわれは18年度に小角光散乱/ずり応力同時測定により,一定ずり速度下において温度上昇に伴いラメラ相がオニオン相(多重膜ベシクルのみで充填された相)に転移することを見出した。これまでに同属系で温度下降に伴うラメラ→オニオン転移が報告されているが,温度上昇に伴う転移は報告がない。そこで19年度は転移温度付近においてX線小角散乱(SAXS)/ずり応力同時測定を行い,昇温速度を変えて転移過程を詳細に調べた。その結果,昇温速度が遅い(15分毎に0.1K上昇)場合,転移に先立って膜のparallel配向が突然強くなり,直後にずり応力と繰返し距離が急増することがわかった。界面活性剤ラメ,ラ相がずり流動場によりオニオン相に転移することが15年前に見出され,その後種々の系で同様の転移が報告されているが,転移機構については不明の点が多く,今回の結果は一般のラメラ→オニオン転移の機構を考察する上でも重要な結果と考えられる。
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