Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
我々は、ソフトマターの代表である液晶、特に、分子とマクロ構造の関係が直接的に顕れる二次元液晶を対象に、個々の分子運動に与えられた摂動がマクロな非平衡構造に発展するメカニズムの解明を目指している。摂動によって生じた非同期の分子運動が位相のそろった集団運動へと変換される過程は、ソフトマターに見られる多くの動的構造の要であり、蛋白に代表される生体分子モーターが動作する上でも重要な役割を果たしていることから、機構解明の意義は大きい。本研究では、キラル液晶薄膜を気体が透過することにより生じる集団分子歳差運動に注目し、マクロ運動と個々の分子運動との相関を、光学実験とMD 計算によって明らかにする。さらに、液晶膜中に置かれた微粒子が、液晶分子の集団回転によって受ける力の測定、またキラル液晶をベシクル埋め込んだDDS の試作をおこない、凝縮系ソフトマターの動的構造解明と応用に向けた構造制御を目指す。
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