2010 Fiscal Year Annual Research Report
極広域分光による窒化物半導体ナノデバイス構造の精密評価
Project Area | Optoelectronics Frontier by Nitride Semiconductor -Ultimate Utilization of Nitride Semiconductor Material Potential- |
Project/Area Number |
18069002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉川 明彦 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20016603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石谷 善博 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60291481)
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Keywords | 窒化物半導体 / 窒化インジウム / 極広域分光計測 / キャリアダイナミクス / 表面・界面物性 / ナノ構造光デバイス / MBE、エピタキシャル / 短周期超格子 / 擬似混晶 |
Research Abstract |
窒化物半導体は,混晶組成制御により広い範囲で禁制帯幅制御可能な材料であり,波長約0.2μmの紫外から約2μmの赤外までの光デバイスに応用可能である.しかし,実用化は青色を中心とする狭い範囲で先ず実現され,近年ようやく近紫外や緑色領域に達した.我々は,窒化物半導体光デバイスの適用波長域の長波長側への拡大のため,高In組成結晶の非輻射再結合過程の解明,高効率光電変換構造の開拓を目的として研究を展開し,InNにおける低残留電子密度化とそれに伴うp型伝導化を達成した.本年度はp型InNの正孔物性の詳細、非輻射ダイナミクスの解明,および高In組成混晶におけるpn接合特性の飛躍的改善のための新規接合構造形成と太陽電池応用の提案を行った.その結果,下記の成果が得られた. (1)n型InNに比べてp型結晶でフォトルミネッセンス(PL)が弱いことは,配位座標系における有効な非輻射活性化エネルギーがp型とn型で異なること,p型結晶の輻射寿命時間内の少数キャリア拡散距離がn型の値に比べて3桁大きい(室温)ことに起因することが示された.高移動度特性を持つInNの高効率発光を得るためには,転位低減よりp型n型共通の点欠陥または複合欠陥の低減を提案した. (2)(InN)_m/(GaN)_n短周期超格子から成る擬似混晶適用による欠陥低減とそれによるpn接合特性改善提案がなされた.この構造は,太陽電池では2-4段のスタック構造において(m,n)を簡単な整数比として構成でき,かつInNの成長温度に対して高くできるマジック超構造擬似混晶であることからSMARTと名付けた.SMART(InN)_1/(GaN)_n(n=20~1 ML)では,n>7MLでは容易にコヒーレント成長することが確認され,本短周期超格子系の実現性・可能性が確認された.
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