2008 Fiscal Year Annual Research Report
パルス励起堆積法による窒化インジウム系半導体の低温成長
Project Area | Optoelectronics Frontier by Nitride Semiconductor -Ultimate Utilization of Nitride Semiconductor Material Potential- |
Project/Area Number |
18069003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤岡 洋 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (50282570)
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Keywords | III族窒化物 / パルス励起堆積法 / 低温成長 |
Research Abstract |
平成20年度は、初年度と平成19年度に開発したパルス励起堆積法による低温成長技術を用いてInNをベースとする無極性面薄膜成長やヘテロ構造の作製を行った。また、高スループット化が可能なパルススパッタ堆積法(PSD法)の開発を行い、高品質エピタキシャル薄膜の成長が可能であることを実証した。具体的には、(1)III族窒化物と同じウルツ鉱型構造を有するZnOを基板上への無極性面InGaN薄膜の成長、(2)パルス励起堆積法によるAIN/InNやGaN/InNなどのヘテロ構造作製とその界面構造や電子状態の評価、(3)PSD法によるSiC基板上へのAIN薄膜室温エピタキシャル成長を行った。 (1)において、m面ZnO基板上へのInGaN薄膜成長を行ったところ、室温成長によってInGaN/ZnOの界面反応が抑制され、高品質なm面InGaN薄膜の成長が可能になることが分かった。また、成長温度の低減によって、組成均一性に優れたInGaN薄膜の成長が全組成領域において可能であるごとを見出した。(2)において、低温成長技術によって作製したAIN/InNおよびGaN/InNヘテロ構造では、そのヘテロ界面が原子レベルで急峻であることが明らかになった。さらにこの構造の硬X線光電子スペクトルをSpring-8で取得し、バンドラインナップなどの電子状態を解析することに成功した。(3)において、PSD法によるAIN薄膜の室温エピタキシャル成長過程を解析した結果、室温成長の特徴である界面反応抑制とミスフィット転位導入の抑制効果によって、PSD法を用いた場合でも窒化物薄膜の高品質化が可能であることが分かった。さらに、MgとSiのドーピングすることによって、PSD法によるGaN薄膜の伝導性制御を実現した。
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