2009 Fiscal Year Annual Research Report
高1組成AlGaNのエピタキシャル成長と欠陥制御技術
Project Area | Optoelectronics Frontier by Nitride Semiconductor -Ultimate Utilization of Nitride Semiconductor Material Potential- |
Project/Area Number |
18069006
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平松 和政 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (50165205)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 秀人 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70209881)
元垣内 敦司 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00303751)
|
Keywords | 窒化物半導体 / AlGaN / 反り / 転位密度 / クラック / MOVPE |
Research Abstract |
本研究では,バイオ光化学分野で新たに応用が期待されている波長250から300nmをターゲットとした発光・受光デバイスの開発を目指して,AlNモル分率xが0.5以上で,転位密度が10^7cm^<-3>台以下のAlGaN成長技術の開発を目的としている。さらに,近年急速に要求が高まっている非極性a面AlGaNについても,積層欠陥や貫通転位の低減技術を新たに開発する。この目的のために、本研究ではSapphire基板上へのGaN成長における基板の反りをその場観察により測定し、種々の方法での基板の反りの制御を検討した。Sapphire上のGaN下地基板上へ選択成長法(ELO法)を用いてGaN成長を行い、成長中の基板の反りの変化について調べた。通常成長と比べELO法を用いた成長では基板の反り量が低減されていた。これは、ELO法ではボイドが形成され、そのボイドによってGaN膜に発生する引っ張り応力が緩和されたためであると考えられる。次に、ボイドの形成を目的にSapphire基板をストライプ状に凹凸加工を行った。その凹凸加工Sapphire基板上にGaN成長を行い成長中の基板の反りの変化について調べた。ストライプに垂直方向で基板の反りは、通常成長と比べ大きく低減されていた。最後にGaN成長中の基板の反りを制御するため、Sapphire上にGaNを成長し、その上へAlN/GaN超格子構造(SL)を用いたGaN成長を行った。通常のGaN成長では、基板の反りが増大するのに対して、超格子上のGaN成長では基板の反りは減少した。これは、AlN/GaN超格子層の平均的な格子定数が上層のGaNの格子定数よりも小さいことに起因している。以上の結果から、その場観察法によりSapphire基板の反りを制御することで、クラックの少ない高品質なGaNを成長でき、AlGaN高品質結晶を得る指針を得ることができた。
|