2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波照射 低温・高酸素ポテンシャル迅速高純度製銑法の開発
Project Area | Microwave-Excited, High-Temperature Thermally Non-Equilibrium Reaction Fields |
Project/Area Number |
18070003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和宏 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70114882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 玄 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70361780)
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Keywords | 環境技術 / 金属生産工学 / 省エネルギー / 二酸化炭素排出削減 / 反応分離工学 |
Research Abstract |
高温X線回折装置(理学電機(RINT-TTR-3C))に電場・磁場分離型マイクロ波炉(ミクロ電子社製UM-1500EC-B型、2045GHz、1.5kW)を設置した。マグネタイトとグラファイト試薬粉体あるいはそれらの混合粉末を石英ガラス管内で窒素ガス中マイクロ波加熱しながらX線回折で反応物と生成物の同定を行なった。粉体はペレットより、また電場より磁場の方が、さらに粒度が小さいほど高温になった。混合粉末ではマイクロ波炉の出力を上げると磁場中では0.5kWで一部プラズマが発生し、銑鉄にまで反応が進行した。電場中では0.2kW以上でプラズマが発生し、その近辺のみが溶解していた。マグネタイトとグラファイトの混合粉末ペレットの場合、磁場中ではマイクロ波照射加熱により1068〜1096℃の間でウスタイトまで還元されたが鉄は生成せず、照射を止めた後冷却中に鉄が生成した。電場中では550℃以上でウスタイトが生成し、1000℃で鉄が生成した。試料内での発熱は局所的で温度測定に問題がある。10.5kWマイクロ波炉を用いて連続銑鉄製造方法の問題点を整理し、20kWマイクロ波炉を設計し作製した。耐火物の量は断熱効果とのバランスで決まる。原料がマイクロ波を吸収して発熱し、数十秒で1200℃の溶融銑鉄を生成するが、溶融銑鉄はマイクロ波を吸収しないので温度が低下し凝固する。連続銑鉄製造のためには、反応容器もある程度発熱し、反応容器内の温度が1350℃程度を維持するよう設計する必要がある。マイクロ波は金属表面で反射を繰り返し、その一部は吸収されて熱に替り放熱してエネルギーロスを大きくする。そこで、マイクロ波の指向性を利用して、導波管から照射されるマイクロ波が直接試料に当るようにする。原料投入管はステンレス製を用い、この中で原料がマイクロ波を吸収しないようにする。これらの条件を勘案し、球形に近い容器に2.5kWのマグネトロンを8基設置し、ホーン形導波管を用いて、マイクロ波が中心に照射するように設計し、20kW炉を作製した。
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Research Products
(8 results)