2008 Fiscal Year Annual Research Report
BファクトリーにおけるBとタウフレーバー物理の研究
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
18071003
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 隆義 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (00134651)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居波 賢二 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (50372529)
|
Keywords | Bファクトリー / B中間子 / タウ |
Research Abstract |
KEKB/Belle実験によって収集した約700fb^<-1>のデータを用い、名古屋大学のデータ解析施設コンピュータにおいて解析を進めた。B物理では、荷電ヒッグスに感度が高いB→τv崩壊とB→Dτv崩壊について、新しい手法による解析と背景事象の緻密な検証を行い、予備結果を報告した。タウ物理では、τ→1V^0, 1f^0, 1hhなどのLFV崩壊の探索を進め、10^<-8>の崩壊分岐比まで感度を向上させた。さらに、ハドロン崩壊モードの解析を進め、τ→Kηv, K*Kv崩壊などの系統誤差の見積りを精度良く行い、分岐比精度を向上させた。また、セカンドクラス崩壊であるτ→πηvの探索も開始した。 検出器開発では、TOPカウンター、エアロジェルRICHと呼ぶリングイメージング型チェレンコフ検出器の開発を行ってきた。TOPカウンター開発では、石英輻射体とMCP-PMTの試作品を用いてプロトタイプ測定器を製作し、ビームテストによって、その性能を評価した。チェレンコフリングイメージ、検出光子数、時間分解能の観点で、シミュレーションから期待される性能との比較を行い、期待通りの結果が得られていることを確認した。エアロジェルRICHの試作機も製作し、同様にビームテストを行い期待通りの結果が得られることを確認した。また、特に重要な要素である光検出器の開発も引き続きおこなってきた。MCP-PMTの試作品を用いて、その量子効率の寿命を測定するための装置を構築し、測定を行なっている。初期のサンプルでは寿命が短い結果が得られたが、その原因を中性ガス発生によるものと判断し、改良品を試作している。HAPD開発では、磁場中での光応答の測定を行い、位置分解能が向上することを確認した。また、中性子照射試験も行い、ノイズの上昇を確認した。
|
Research Products
(32 results)