2009 Fiscal Year Annual Research Report
BファクトリーにおけるBとタウフレーバー物理の研究
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
18071003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 隆義 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (00134651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居波 賢二 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50372529)
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Keywords | Bファクトリー / B中間子 / タウ / フレーバー |
Research Abstract |
KEKB/Belle実験によって収集した約800fb^<-1>のデータを用い、名古屋大学のデータ解析施設コンピュータにおいて解析を進めた。B物理では、荷電ビッグスに感度が高いB→τv崩壊とB→Dτv崩壊について、新しい手法による解析と背景事象の緻密な検証を行っている。全再構成手法によるB→D*τv崩壊の分岐比測定を精密に行い、その結果を国際会議で報告した。タウ物理では、τ→111,1Ks,1KsKsなどのLFV崩壊の探索を進め、10^<-8>の崩壊分岐比まで感度を向上させた。さらに、ハドロン崩壊モードの解析を進め、τ→φπv,K*Kvを経由するτ→KKπv崩壊のベクター・軸ベクター崩壊の比を質量分布から精度良く測定をした。 検出器開発では、TOPカウンター、エアロジェルRICHと呼ぶリングイメージング型チェレンコフ検出器の開発を行ってきた。特に重要な要素である光検出器の開発も引き続きおこなってきた。TOPカウンター開発では、MCP-PMTの試作品を開発し、実用化ために残る問題となっていた量子効率の寿命問題を解決すべく、原因分析を行ってきた。従来考えられていた原因と違い、MCPで発生した中性ガスが光電面を劣化させている可能性が高いことを検証し、対策を行った結果、実使用に耐える寿命を実現できた。また、エアロジェルRICHの試作機を用い、ビームテストを行い期待通りの結果が得られることを確認した。HAPD開発では、中性子照射試験を行い、ノイズの上昇を確認した。ノイズ上昇を避けるために読み出しエレクトロニクスの積分時間などを調整することで、実用可能なレベルまで低減可能であることが分かった。さらに、内部に搭載しているAPDの厚みなどを調整することで性能向上できることも確認できた。
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