2010 Fiscal Year Annual Research Report
BファクトリーにおけるBとタウフレーバー物理の研究
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
18071003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 隆義 名古屋大学, 理学研究科, 特任教授 (00134651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居波 賢二 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50372529)
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Keywords | Bファクトリー / B中間子 / タウ / フレーバー |
Research Abstract |
標準理論を超える物理(BSM)探索に注目を集めるB→τυ崩壊をセミレプトニックなタギング法により測定し、分岐比Br=(1.54±0.38/0.37±0.29/0.31)×10^<-4>を得る成果を挙げた。標準理論を確認するとともに、BSMへの数少ない強力な制約を課す貴重なデータである。一方、タウレプトンのフレーバー保存則を破る崩壊事象(BSM)の探索では、l+Ks,l+KsKs ; lll ; l+vector-meson (l=e,mu)の崩壊を当初目標の10^<-8>に迫る検出感度に達成(論文発表)した。l+scalar-mesonは投稿寸前にあり、l+γ, ; l+hh'(h=hadron)は解析の最終段階である。Ks+π+υ崩壊におけるCP非保存探索をも遂行し、非対称度A=(1.8±2.1±1.4)×10^<-3>を得、荷電ヒッグスの存在可能領域に制約を与える。 粒子識別検出器エアロジェルRICHの光検出器HAPDの研究は、中性子とγ線耐性に焦点を当てた。前者については照射量5×10^<11>n/cm^2の耐性を確認し、また、P層の薄化による損傷の減少を確認した。プロトタイプをビームテストし、5σ以上のπ/K分離能力(4GeV/c)を確認、達成できた。一方、粒子識別検出器TOP-counterの光検出器、角型MCP-PMTの最終課題は光電面の長寿命化であったが、内部構造の改良によるノウハウを見出し、1-2C/cm^2の寿命PMTの作成(従来から2桁の長寿命化)に成功した。プロトタイプ検出器をCERN-SPSで120GeVπ-ビームでテスト測定し、反射端収束ミラーの時間分解能向上率を実測(148ps→95ps)、確認した。
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Research Products
(29 results)