2006 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ニュートリノビームを使ったニュートリノフレーバー振動の研究
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
18071005
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
西川 公一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60198439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中家 剛 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50314175)
横山 将志 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (90362441)
小林 隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
藤井 芳昭 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70190006)
石井 孝信 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (90134650)
|
Keywords | ニュートリノ / 質量 / 振動 / フレーバー混合 / T2K / 大強度ビーム / スーパーカミオカンデ / J-PARC |
Research Abstract |
本研究は、J-PARCからの大強度ニュートリノビームをスーパーカミオカンデで検出する長基線ニュートリノ振動実験T2Kを遂行し、ニュートリノフレーバー混合の全貌を解明することを目指す。H18年度はT2K実験の感度をより高めるための以下の実験機器の開発、設計、製作、試験などを進めた。 ●陽子ビームモニター:大強度の陽子ビームを安全に転送するために不可欠なビーム位置モニター、プロファイルモニターのR&Dを行い要求性能を達成できることを確認、技術設計をほぼ終え、実証機を製作した。またビーム位置測定モニターの実証機の性能を確認するためビーム試験を行った。 ●標的、ホーン:標的の技術設計が終了、実証機を製作中。標的で生成されたπ中間子を前方に収束しニュートリノの強度を上げるため3台設置される「電磁ホーン」のうち、第1ホーンの長期運転試験を設計電流の320kAで行った。12月から初めて3月まで、85万回のパルス電流を印加した。おおむね良好な結果を得た。また第3ホーンも完成し、5月からの電流試験に向けて準備中である。 ●ミューオンモニター:ミューオンモニターは、ニュートリノとともに生成されるミュー粒子の強度、プロファイルをビームダンプの背後で測定し、ビーム強度、方向などをモニターする。前年度に引き続きR&Dを進め、ほぼ最終設計が完了。試作機のビーム試験を行い、性能を確認した。 ●前置検出器:生成直後のニュートリノビームの性質を精度よく測定するための前置検出器の開発、設計を進めた。前置検出器の要である光センサーの部分には、約10万個の新型半導体光検出器MPPCを使用する予定である。多数のMPPCからの信号をASICによって同時に読み出す方法を確立した。さらに百個のMPPCの性能評価により素子の特性が4%程度でよくそろっていることを確認し、前置検出器での大量のMPPCを使用するめどがついた。
|