2010 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ニュートリノビームを使ったニュートリノフレーバー振動の研究
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
18071005
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
西川 公一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 所長 (60198439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50314175)
小林 隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70291317)
|
Keywords | ニュートリノ / 質量 / フレーバー混合 / 振動 / CP非保存 |
Research Abstract |
2010年1月から6月までと2010年11月から2011年3月までの2つの期間で累積1.45×10^<20>の陽子を標的に衝突、ニュートリノを生成させ、安定に物理のためのデータ取得を行った。また、前半期間のデータ(3.23×10^<19>の陽子分)を解析し、最初のミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動の物理結果を発表した(0.3±0.07の背景事象予測に対し、1事象の観測)。また、T2K実験の感度をさらに高めるため、CERNのNA61実験においてパイ中間子の絶対微分生成断面積を精密に測定した。この結果をT2K物理結果を出すのに使用した。この他、米国フェルミ国立研究所のSciBooNEおよびMiniBooNE実験で、ステライルニュートリノによるニュートリノ振動の探索を行い、これまでの上限値を更新した。 更に、高エネルギー加速器研究機構では、主に高品質大強度ビームの安定供給実現のための装置(陽子ビームモニター、パイ中間子生成のためのグラファイト標的、電磁ホーン、ビームラインのデータ収集システムなど)とニュートリノ測定の性能向上のためのニュートリノ測定器の開発を行った。また、京都大学ではビームの質を高精度で測定するための装置(ミューオンモニター、生成直後のニュートリノ検出器など)の研究開発、製作、設置を行った。 また、外国の研究者の招へいや、海外への出張、研究成果について国際的に活発に議論するための活動も積極的に行った。
|