2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Probing the Dark Energy through an Extremely Wide & Deep Survey with Subaru Telescope |
Project/Area Number |
18072004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 直 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70222057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 隆彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00282715)
吉田 直紀 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90377961)
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Keywords | ダークエネルギー / 構造形成 / 密度揺らぎ / 宇宙大槻模構造 |
Research Abstract |
本年度は、宇宙大規模構造の形成にダークエネルギーが及ぼす影響を詳細に調べるために、大規模数値シミュレーションの実行を開始した。その解析を進める過程で、数値計算によって求まった、密度分布の相関関数の時間進化が、線形成長から期待されるものと大きくずれる現象を見つけた。線形の次の次数の密度揺らぎの成長を考慮することで、この奇妙な揺らぎの成長が、シミュレーションの箱が有限であることに起因していることを突き止めた。この成長は、これまで世界中で行われていたすべての数値シミュレーションに共通に見られる問題点であることもわかった。この問題の対処法も見つけ出すことができ、シミュレーションの精度を上げることに貢献できた。大規模シミュレーションに関しては、その得られた銀河分布の中を光を飛ばし、重力レンズ効果を評価するという研究も国立天文台などと共同してスタートした。その他、宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎと、シミュレーションで得られた銀河分布の相関を取ることで、将来の観測によってダークエネルギーの性質を明らかにできる可能性を見つけだした研究や、大規模銀河探査の現存するデータを用いて、ダークエネルギーの性質を明らかにする研究などを推進した。 今後の研究戦略を練るために、2008年3月5日から7日にかけて、我々名古屋大学のグループが中心となって、本領域分担者が集結した「HSCをめぐるサイエンス検討会」を、三重県賢島にて開催した。また、2007年4月27日には、名古屋大学にて、東大、東北大学の研究者があつまって、シミュレーションプロジェクトの戦略会議を行った。
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Research Products
(15 results)