2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Probing the Dark Energy through an Extremely Wide & Deep Survey with Subaru Telescope |
Project/Area Number |
18072004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 直 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70222057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 隆彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00282715)
吉田 直紀 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 准教授 (90377961)
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Keywords | ダークエネルギー / 構造形成 / 密度揺らぎ / 宇宙大規模構造 |
Research Abstract |
本年度は、宇宙大規模構造の形成にダークエネルギーが及ぼす影響を詳細に調べるための大規模数値シミュレーションを引ききした。その解析を進める過程で明らかにした、シミュレーションの箱が有限であることから生じる数値計算誤差に関して論文にまとめた。この効果も含め、特にダークエネルギーの指標となるバリオン音響振動スケールでの大規模構造シミュレーションの精度に対する評価を、解析的手法と比較し検定した。また、大規模シミュレーションを実行することによって、銀河分布の世界最大規模のサンプルを得ることができた。現在、11, 000個を得ている。このサンプルをもちいて、その計算ボックス中の光の伝播を解くことで、遠方の銀河に生じる重力レンズ効果を見積もる研究を推進した。現在論文は投稿中である。この研究によって、重力レンズ効果によるダークエネルギーの推定に対する将来の観測誤差を推定でき、また、最適な観測計画を立案できる。 その他、スローン・デジタル・スカイ・サーベイの2度のデータリリース、そのデータを用いた銀河クラスタリングの解析、宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎの非ガウス性の検証、宇宙論的非線形摂動論におけるバイアスと赤方偏移変形の取り扱いに対する新たな理論の提案と定式化などの研究を推進した。特に最後の研究に関して、ダークエネルギーの制限を行う観測に対して、新たな手法を与えることが期待できる。 また、今後の研究戦略を練るために、2009年3月18日、19日に、本領域分担者が集結した「HSCをめぐるサイエンス検討会」を、国立天文台にて開催した。
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Research Products
(15 results)