2007 Fiscal Year Annual Research Report
プラス鎖RNAウイルスおよび二本鎖RNAウイルスの複製と病原性
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
18073002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 明男 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (70112670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / リバースジェネティックス / プラス鎖RNA / 二本鎖RNA |
Research Abstract |
ポリオウイルスに対する神経細胞の抵抗性因子を分離・同定するために、プロテオミクス解析を開始した。しかし、使用する二次元電気泳動装置の欠点を直すとの名目でメーカーによる改造が行われ、重要な実験が阻害された。そのため、サンプル調製等の条件検討を行うと同時に、神経細胞で産生されると考えられるポリオウイルスIRESの阻害物質がトランスに働くことを証明した。すなわち、アデノウイルスベクターで発現させたジシストロニックmRNA(第2シストロンがポリオウイルスIRESで発現)からの蛋白質の翻訳効率の変化をポリオウイルス感染の有無で検討した。その結果、この物質はトランスに働くことが明らかとなった。また強毒野性(Mahoney)株よりも病原性の強い株の分離に成功した。 アイチウイルスのLと2A蛋白質の機能を解析した。L蛋白質はウイルス特異的ポリ蛋白質の細胞内局在を決定していること、2Aがゲノムの複製に必須であることを明らかにした。 C型肝炎ウイルスのジェノタイプ2a(複製活性あり)と2b(複製活性なし)のキメラウイルスの作製により、複製にとって重要なゲノム領域を探索した。その結果、MA株(2b)のNS5Aは活性があるが、NS5Bと3'非翻訳領域の部分は不活性であることを示した。 開発したばかりのヘルパーウイルスを利用したロタウイルスのリバースジェネティックス系を利用した抗原モザイクを有する組換えロタウイルスを作製し、その性状解析を行った。さらにプラスミドDNAのみで感染性ウイルスを回収できる実験系の確立に向け、ヒトおよびサルロタウイルスのすべてのRNAに対応する発現プラスミドの調製を行った。
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