2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
18073007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 幸廣 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60115615)
|
Keywords | DNAウイルス / 単純ヘルペスウイルス / ウイルス遺伝子機能 / ウイルス病原性 |
Research Abstract |
近年、HSVを含む複数のウイルス感染系において宿主ユビキチンシステムの積極的な利用・制御が報告されている。我々はUL56がテグメントに存在するC末端アンカー型膜蛋白質をコードすること、Nedd4を制御することを明らかにしてきた。本年度は、Nedd4ファミリーに属する他のユビキチンリガーゼのHSV感染による変化、及びその過程におけるUL56の役割を検討した。その結果、複数の細胞株においでHSV-1、HSV-2野生株の感染によりItchの検出量が経時的に減少し、感染12時間後にはほぼ消失ずることが判明した。この変化はUL56欠損株感染細胞ではみられなかった。また、EGFP-UL56発現細胞においてもItchの検出量が顕著に減少していた。一方、WWP2についてはHSV感染による明らかな変化は検出されなかった。Nedd4ファミリーゴビキチンリガーゼはUL56のPPXYモチーフと結合しうるドメインを共通してもつが、HSV感染による変化は限られたユビキチンリガーゼだけに見られることが明らかとなった。 UL14は分子シャペロン機能を有するmultifunctional proteinであり、IE遺伝子の転写活性化作用を有する主要テグメント蛋白質VP16の核内輸送、及びカプシドの核表面への移行に重要である。しかし、教科書的には細胞質に放出されたVP16は宿主因子HCF-1と共に核に移行するとされている。本研究では、HCF-1と結合不可能なVP16(Y364A)を用いて、UL14との共発現時の核移行を検討した。その結果、VP16(Y3研A)はVPi6(wt)と同様にUL14との共発現により双方が核内に移行すること、またUL14欠損-VP16G株ではVPI6GFPはpehnuclear領域に蓄積、その周囲にvimentin cageの形成とHsp70が集積することがわかった。以上のことから、VP16の核内移行には、HCF-1よりもむしろULI4が主要な因子であることが示唆されるとともに、UL14は翻訳後のVP16GFPのfoldin9に関与している可能性が示された。
|