2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染における細胞内二本鎖RNA認識受容体の機能解析
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
18073010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 尚志 Kyoto University, ウイルス研究所, 教授 (10156870)
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Keywords | ウイルス / 抗ウイルス自然免疫 / RIG-I / 二重鎖RNA / ヘリカーゼ / 免疫学 / サイトカイン / 炎症 |
Research Abstract |
ウイルスは宿主自然免疫系により認識され、I型インターフェロン(IFN)や炎症性サイトカインの産生に代表される初期応答や、その後の獲得免疫系の活性化が誘導される。我々は細胞質に存在するウイルスRNAのセンサー、RIG-Iを発見した。RIG-IはRNAヘリカーゼの構造を持ち、MDA-5、LGP2と共にファミリーを形成している。 RIG-Iに対する特異抗体を作製し、細胞内での局在の解析を行なった。RIG-Iはウイルス感染によってその局在が劇的に変化し、ウイルス由来の二重鎖RNAおよびウイルス蛋白質と共局在した。また、RIG-Iが受動的にウイルス核酸と共局在するのではなく、局在を変化させる機構が存在することが強く示唆された。 ヒトのRIG-IおよびMDA5の遺伝子多型がデータベースに報告されている。これらのうちアミノ酸置換を伴うものについて、その生理活性を解析した。その結果、これらの変異の中に活性を喪失するものが幾つか含まれていた。特記すべきはMDA5の多型のうち、1型糖尿病発症抵抗性と関連することが示唆されている3種類の変異がいずれも活性喪失であった。これらの結果はMDA5が抗ウイルス応答に重要なセンサー分子であるが、その過剰応答が自己免疫発症に強く関わる可能性を示唆している。
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Research Products
(7 results)