2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロナノ加工技術を用いた膜タンパク質機能解明のためのプラットフォーム
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
18074001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗行 英朗 中央大学, 理工学部, 助教授 (80219865)
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Keywords | 膜タンパク / MEMS / マイクロ流体デバイス |
Research Abstract |
本研究では、膜超分子モータの機能解明の効率化を図る実験プラットフォームを,マイクロ・ナノ加工技術を利用して実現する。具体的には、マイクロ・ナノ加工技術を利用して,膜形成のための小孔を作成し,再現性,安定性の向上を図る。また、分担者の宗行(中央大学)の誘電泳動システム利用してF1の回転を制御し、回転分子モータの機能解明の一層の効率化を図る。平面膜チップ:本年度は、マイクロ・ナノ加工技術を利用して、膜形成のための小孔を作成することで、再現性、安定の問題に取り組んだ。再現性・安定性の向上、溶液操作性の向上および低ノイズ電気計測系の確立の全ての要素技術が実現すれば、多チャンネル膜タンパク機能解析システムが確立される。そこで今年は、再現性安定性に焦点をしぼり、形成するための条件を、小孔のデザイン、2つの水溶液が接触するための圧力、速度、脂質の量など、膜形成の重要な要素を検討した。その結果、膜形成の効率を90%以上に向上させることができた。マイクロチャンバ:ここでは、これまで申請者らが提案してきたマイクロチャンバの方法を一層効率化させた。マイクロ流路を作成し、ここに水層と油層を交互に流すことによって、チャンバを作成する方法を考案した。本方式は、長時間大量のチャンバを観察する実験に適していることが分かってきた。また分担者の宗行は、誘電泳動の原理を用いて回転分子モーターであるF1-ATPaseに時間・空間的にほぼ均一な外部トルクをかけて、その応答を観察する研究を行っている。この実験系では溶液のイオン強度を下げなければならないため、実験条件下でのATPMgとATP、Mgの平衡関係やF1-ATPaseの活性等を検討し、最適と考えられる実験条件を模索した。さらに実験手順を洗練して外部トルクの校正を全ての実験について個別に行うことにより、データのばらつきをある程度減らすことに成功した。
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Research Products
(5 results)