Research Abstract |
本研究では、膜超分子モータの機能解明の効率化を図る実験プラットフォームを,マイクロ・ナノ加工技術を利用して実現する。具体的には、マイクロ・ナノ加工技術を利用して,膜形成のための小孔を作成し,再現性,安定性の向上を図る。また、分担者の宗行(中央大学)の誘電泳動システム利用してF1の回転を制御し、回転分子モータの機能解明の一層の効率化を図る。 昨年度までに,マイクロ・ナノ加工技術を利用して,膜形成のための小孔を作成することで,再現性,安定性の問題に取り組んだ。また、形成するための条件を,小孔のデザイン,2つの水溶液が接触するための圧力,速度,脂質の量など、膜形成の重要な要素を検討した。その結果、1つの膜をデバイス中に安定して再構成する方法に関しては,ほぼ確立できた。 また分担者の宗行は、昨年度までに回転電場法によって,F1-ATPaseに時間空間的に均一なトルクをかけることに成功し,その挙動を論文として発表した.その後,回転電場法による温度上昇の問題を溶液条件,セルの構造,回転観察用ビーズの大きさなどを検討することでを問題にならない程度まで軽減した.また録画系,データ処理系に関しても改良を行い,1000fpsで撮影した動画を撮影と同時に重心解析をしながらハードディスクに取り込むシステムを構築した.このことにより以前に比べると飛躍的に実験が楽になり,順調にデータがとれるようになった.
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