2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
18074005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野地 博行 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (00343111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (60231148)
田端 和仁 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50403001)
飯野 亮太 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70403003)
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Keywords | 回転分子モーター / 生体膜 / 1 分子計測 / ナノバイオ / エネルギー変換 / MEMS / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、主として下記に挙げる研究成果があがった 1.新しい反応中間体の解析:昨年度、低温下でF1-ATPaseの回転1分子計測を行ったところ、新しい停止状態としてFl-ATPaseの新しい反応中間体が発見された(EMBOreport 2008)。本年度は、さらにその詳細な解析を行った結果、これが特定の化学状態ではなく、何らかの構造変化前の状態であることを示唆する結果を得た。現在、1分子蛍光イメージングと回転可視化を組み合わせた同時計測で詳細な解析を行っている。 2.結晶構造と1分子観察で発見された反応中間体の関係の解明:F1-ATPaseの反応メカニズム解明のために、結晶構造解析と1分子計測が精力的に行われているが、実はこれまで解かれた結晶構造が1分子観察で発見されたどの状態にあるのか明らかではない。そのため、反応メカニズムを考える上であいまいさが残るうえに、信頼性の高い分子シミュレーションが行えていなかったという問題がある。そこで、我々は、結晶構造中のF1-ATPaseの回転子と固定子の接触点にCys残基を導入し、この変異型F1-ATPaseの回転観察中にジスルフィド結合を形成さることで、強制的に結晶構造の位置で回転を停止させた。その結果、この停止角度がATP加水分解前の状態であることが明らかとなった(投稿論文準備中) 3.再構成膜中におけるATP合成酵素の回転観察:本年度は、これまでの平面膜法に加え、固定基板上に脂質二重膜を形成させ、そこにATP合成酵素を再構成させたのちATP加水分解による回転計測を行う実験システムを開発した。現在、このシステムに膜電位を印加するマイクロ電極等の開発を行っている。
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Research Products
(19 results)