2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
18074006
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今田 勝巳 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (40346143)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南野 徹 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (20402993)
|
Keywords | 分子モーター / ナノマシン / ナノバイオ / 生物物理 / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究では、固定子蛋白質(PomA、PomB、MotX, MotY、MotA、MotB)と、固定子と直接相互作用する回転子蛋白質FliGの原子レベルの構造決定を行い、細菌べん毛のトルク発生ユニットの構造基盤を明らかにすることにより、分子モーターの構築・回転機構の解明を目指している。また、F_0F_1システムとの類似が明らかになったべん毛輸送装置構成蛋白質の構造と作動機構の解明にも取り組んでいる。本年度の主な成果は、以下に記す。 ・ PomBのPEM領域を含むペリプラズムフラグメントの結晶化に成功した。 ・ MotXについて無細胞系を用いた発現を行い、精製試料の作成に成功した。 ・ サルモネラ菌由来MotBペリプラズムフラグメントの解析により、MotBはモーター組み込み時に大きな構造変化を起こすことが示唆されている。組み込み状態に固定された変異体と考えられるMotB(L119E)の1.5Å分解能の回折を示す結晶を得ることに成功した。 ・ 極低温電子顕微鏡による画像解析から、FliJとFliIが、F1ArPaseにおけるα3β3γ複合体と同様の構造を持つFliI_6FliJ複合体を形成することを明らかにした。また、蛍光ラベル標識したFliJを用いた解析から、FliJが溶液中でもFliI6量体と複合体を形成することを明らかにした。 ・ 固定子構成蛋白質であるMotAを単独で発現させると、野生株のモーター機能が著しく低下した。その原因はMotAがモーターに組み込まれ、回転子周囲の正常な固定子複合体の数が減少したためであり、MotAがモーター組み込みの機能を持つことが明らかになった。 ・ pH感受性蛍光蛋白質フルオリンをコードする遺伝子をサルモネラ菌の染色体に組み込んだ。このフルオリン発現株を用いることで、MotA/B複合体のプロトン透過活性の測定が容易に行えるようになった。
|