2006 Fiscal Year Annual Research Report
テンサイ雄性不稔性原因遺伝子と花粉稔性回復遺伝子の相互作用解析
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保 友彦 北海道大学, 大学院農学研究院, 講師 (40261333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (50133715)
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Keywords | 遺伝解析 / 生化学解析 / 花粉形成 / 生殖 / 植物 / 核・細胞質相互作用 / 細胞質雄性不稔性 |
Research Abstract |
細胞質雄性不稔性(CMS)は雄性配偶子の特異的退化現象で、遺伝学的には雄性不稔原因遺伝子と稔性回復遺伝子の間に何らかの相互作用があるものと考えられる。申請者はテンサイを材料に用い、雄性不稔原因遺伝子と稔性回復遺伝子のクローン化に成功している。これらの成果を踏まえ、本年度は以下のような成果を得た。 1.preSatp6e翻訳産物はミトコンドリア内膜で200kDa複合体を形成することがBlue Native BAGE解析で明らかになっている。膜画分の可溶化に用いる界面活性剤を検討し、ミトコンドリアタンパク質調製の条件を改良したところ、これよりもさらに大きい複合体の一部を形成することを明らかにした。 2.稔性回復株において、緑葉、根部および花芽を供試してpreSatp6複合体の調査をBlue Native PAGE解析とウエスタンブロット解析を組み合わせて行った。その結果、栄養器官においては稔性回復株とCMS株に差異は見られなかったが、稔性回復株の葯においてはpreSatp6複合体の移動度が大きくなっている、すなわち複合体が小さくなっていることを発見した。 3.稔性回復遺伝子Rf1の時間的・空間的な発現を調べるため、in situハイブリダイゼーションを行った。その結果、花粉四分子期から小胞子期にかけて葯のタペート細胞でRNAが著しく蓄積していることがわかった。すなわち、preSatp6複合体が小さくなることと、Rf1の発現パターンが一致することを明らかにした。
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