2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ細胞質雄性不稔に見られる核とミトコンドリアのゲノム障害
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (20183882)
|
Keywords | イネ / 生殖 / 細胞質雄性不稔 / ミトコンドリア / ゲノム |
Research Abstract |
1.BT-CMS系統([cms-bo]rflrfl)と稔性回復系統([cms-bo]RflRfl)の小胞子、2細胞期の花粉、あるいは、3細胞期の花粉を含む葯を用いてAgilent44KオリゴDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、光顕観察で形態的な差が見られなかった小胞子期においても多くの核遺伝子の発現量が変化していることがわかった。遺伝子発現と花粉発達異常との関連性を考察した。 2.BT-CMS,LD-CMS,CW-CMSについて花粉を電顕で観察した。その結果、BT-CMSとLD-CMSのミトコンドリアにおいてクリステ構造に異常が見られた。CW-CMSは花粉壁のインティンに異常が見られた。 3.CW-CMSの稔性回復遺伝子をマップベースクローニングしたところ、稔性回復は,機能不明の遺伝子ORF11の発現減少による可能性が高いことがわかった。さらに、ORF11はレトログレード制御を受ける因子であることが示唆された。「正常細胞質の台中65号では正常な発現量を示すが、細胞質が置換されることでレトログレード制御を受け発現が増加する。ORF11の発現増加により雄性不稔が引き起こされるが、この遺伝子に変異が起こり発現量が低下すると稔性が回復する」と考えられた。ORF11の発現をRNAi法で抑制した場合に稔性が回復した。 4.CW-CMSにおいて発現が減少していたプロテインキナーゼOsNek3およびプロテインホスファターゼDCW11について機能解析を行い、CMSとの関連を示した。
|
Research Products
(16 results)