2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネ細胞質雄性不稔に見られる核とミトコンドリアのゲノム障害
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (20183882)
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Keywords | イネ / 生殖 / 細胞質雄性不稔 / ミトコンドリア / ゲノム |
Research Abstract |
1. ミトコンドリアのCMS原因遺伝子の解明に関わる研究 : LD-CMSとCW-CMSについてミトコンドリアゲノムの全塩基配列をGS-FLX(454)法を用いて決定した。CW-CMSミトコンドリアゲノムに特有の遺伝子構造として、ORF307を見出した。ノーザンプロットでは、CMS系統とRf17を持つCWR系統でORF309の発現パターンに差が見られなかった。 2. 雄性不稔発現機構についての研究 : 5種類のCMS系統(BT-CMS, LD-CMS, CW-CMSおよびW11-CMS, WA-CMS)について小胞子期と2細胞期の葯を用いて、アレイ解析を行った。(支援班利用)。それぞれのCMSに特徴的な発現プロファイルを示す遺伝子、共通する特徴を示す遺伝子等を見出した。 3. 稔性回復機構の解析 : CW-CMSの稔性回復遺伝子をマップベースクローニングしたところ、稔性回復は, 機能不明の遺伝子ORF11の発現減少による可能性が高いことがわかった。RNAiを用いてCW-CMS系統においてORF11発現を抑制した場合に稔性が回復した。一方、ORF11を稔性回復系統において過剰発現させたところ、花粉不稔が見られた。ORF11はAcyl-carrier protein synthaseドメインの一部を持つ機能不明のタンパク質をコードしていた。ORF11はレトログレード制御を受けることが示唆されたため、retrograde-regulated male-sterility(RMS)と命名した。
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Research Products
(26 results)