2009 Fiscal Year Annual Research Report
イネ細胞質雄性不稔に見られる核とミトコンドリアのゲノム障害
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (20183882)
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Keywords | イネ / 生殖 / 細胞質雄性不稔 / ミトコンドア / ゲノム |
Research Abstract |
イネにおける3種類の細胞質雄性不稔/稔性回復遺伝子(BT-CMS/Rf1, LD-CMS/Rf2, CW-CMS/Rf17)を材料とし、それぞれ、雄性不稔発現機構および稔性回復機構の解明を行なうことを目的とした。LD-CMSの稔性回復遺伝子Rf2をマップベースクローニングしたところ、0s02g0274000のアリル(Kasalath由来)であることがわかった。RF2は152アミノ酸をコードし、C末端側にglycine-rich protein family domainを持つと予測された。RF2では78番目のアミノ酸がイソロイシンであるのに対し、rf2ではSNPによりスレオニンに置換していた。LD-CMSに対する稔性回復系統(CSSL204)をBTAに交配すると弱い稔性回復が見られる。Rf2ゲノム断片をBT-CMS系統(BTA)に遺伝子導入したところ、花粉稔性および種子稔性が回復したことから、Rf2はBT型CMSに対する弱稔性回復遺伝子としても機能することが明らかになった。Rf2は2細胞期~成熟期の花粉を含む葯で発現が顕著に増加していた。タマネギ表皮細胞を用いてRF2の細胞内局在を調査した結果、RF2はミトコンドリアに局在することがわかった。また、Rf2を交配で導入したBTA系統では、RF1が結合して引き起こすB-atp6-orf79 mRNAのプロセッシングは起こっていなかった。しかし、B-atp6-orf79 mRNAの減少とORF79の蓄積量の減少が見られた。RF2内には典型的なRNA結合モチーフは見られないため、RF2が直接ターゲットとなるRNAに結合するとは考えにくい。RF2はRF1とは異なるメカニズムでORF79の蓄積量を減少させている可能性が考えられた。
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Research Products
(26 results)