2007 Fiscal Year Annual Research Report
花粉管ガイダンスと重複受精におけるゲノム障壁の鍵因子
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東山 哲也 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (00313205)
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Keywords | 花粉管 / ガイダンス / 誘引物質 / 助細胞 / 重複受精 / ライブイメージング / 受精能獲得 / ゲノム障壁 |
Research Abstract |
花粉管ガイダンス分子について、有力な候補であるTfLCR1について解析を進めた。その結果、活性のあるTfLCR1を大量に得ることのできる精製法の確立に成功した。この成果は、今後のガイダンス分子の研究に対して大きな突破口となる。TfLCR1に似た他のタンパク質が、助細胞特異的に発現していることから、そうしたタンパク質が活性をもつか否かについても解析を進めている。後述のシロイヌナズナにおけるガイダンス分子の探索にも役立つ。また、TfLCR1をシロイヌナズナに導入することで、頻度は低いながらも、トレニアの花粉管がシロイヌナズナの胚珠に誘引される予備的な結果が得られた。この成果は、ゲノム障壁打破の可能性を示すものであり、効率の低さの原因を今後慎重に調査していく。また、シロイヌナズナの花粉管ガイダンス分子についても探索を進めた。TfLCR1の情報をもとに絞り込みを進めるとともに、誘引活性を確認するための系の確立を進めている。また、重複受精のライブイメージング解析に関して、世界で初めてそのイメージングに成功し、論文発表を行った。その技術を応用し、重複受精過程が異常になる突然変異体の探索についても開始した。また、花粉管に誘引物質への応答能を与える母体因子AMORの精製も進め、質量分析を開始するに至った。質量分析により同定に至らない場合は、AMORを発現する胚珠組織のcDNAを得て、EST解析により候補遺伝子の同定を行う。
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Research Products
(9 results)