2008 Fiscal Year Annual Research Report
花粉管ガイダンスと重複受精におけるゲノム障壁の鍵因子
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東山 哲也 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (00313205)
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Keywords | 花粉管 / ガイダンス / 誘引物質 / 助細胞 / 重複受精 / ライブイメージング / 受精能獲得 / ゲノム障壁 |
Research Abstract |
25個の助細胞から遺伝子発現解析を進めた結果、興味深いことに、助細胞では分泌性でシステインンに富む低分子量タンパク質群(cysteine-rich polypeptides ; CRPs)が、高いレベルで発現していることがわかった。合計で16種のCRPsを同定した。そこで、特に発現量の高い1番〜3番の3つの遺伝子に着目し、解析を進めた。これらは、ディフェンシンに類似するタンパク質であった。さらに、1番と3番の2つの遺伝子は構造がよく似ており、助細胞特異的に発現していることが明らかとなった。抗体を用いた解析かち、両者とも、花粉管が誘引される胚嚢先端に分泌されることが示された。さらに、これら2つのタンパク質が花粉管が誘引物質であるのか、大腸菌で作らせたタンパク質を用いて解析を進めた。その結果、両者は強い誘引活性を示すことが明らかとなった。しかも、近縁種のアゼトウガラシの花粉管は誘引しないなど、もとの助細胞の誘引シグナルの特徴とよく一致した。さらに、レーザーマイクロインジェクターという、独自に発明および開発した装置で、遺伝子発現阻害実験を試みた。モルフォリノアンチセンスオリゴという標的の遺伝子発現を抑える試薬を胚嚢に顕微注入すると、花粉管誘引が阻害されることがわかった。これらの結果から、これら2つのタンパク質が真の花粉管誘引物質であると結論し、このタンパク質をルアー(LURE 1、LURE 2)と名付けた。この成果はNature誌に掲載され、ルアーで誘引される花粉管をとらえた写真が表紙を飾った。
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Research Products
(28 results)