2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 伸浩 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70282697)
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Keywords | イネ / シロイヌナズナ / 卵細胞 / 精細胞 / in vitro受精系 / 多光子レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
(1) 卵細胞特異的に発現する遺伝子の網羅的解析 卵細胞においてどのような遺伝子発現が起きているのかを網羅的に解析するために, イネの受精直前の雌蕊の中央部分を切断し, 顕微鏡下で卵細胞を単離・回収した.このようにして集めた約4,000個の卵細胞から純粋な卵細胞由来のRNAを用いてマイクロアレイ解析を行った. その結果, 卵細胞特異的な遺伝子として唯一報告されているECA1遺伝子と極めて高い相同性をもつ遺伝子がイネの卵細胞でも発現することが分かった. このことから, この方法で卵細胞特異的な遺伝子発現の解析が可能であることを確認した. マイクロアレイ解析の結果, 卵細胞で特異的に発現するmiRNAが見出され, その標的遺伝子の転写産物量が卵細胞において低下していることが分かった. さらに単子葉植物の胚形成に関与していると考えられるオーキシン輸送タンパク質候補が見つかった.今後は, 単離した卵細胞で特異的に発現する遺伝子の同定を進めるとともに, それらの機能を明らかにする. 同様の方法で助細胞を単離し,助細胞で特異的に機能する遺伝子の同定を進める. (2) 受精時における精細胞および卵細胞ミトコンドリアの挙動. 精細胞および卵細胞でそれぞれ特異的なプロモータを用いてミトコンドリア移行型の蛍光タンパク質を発現させ, 多光子レーザー顕微鏡を使うことで生きた精細胞, 卵細胞のミトコンドリアを可視化させることに成功した. また, シロイヌナズナin vitro受精系を確立した. 今後, 受精過程におけるミトコンドリアの挙動を解析する予定である.
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