2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075008
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高山 誠司 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (70273836)
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Keywords | 受粉 / アブラナ科植物 / カルシウム / アクチン / 液胞 / トモグラフィー / マイクロアレイ / 花粉 |
Research Abstract |
1.「和合シグナル」により誘導される乳頭細胞内生理変化の解明 アブラナ科植物の和合受粉時の乳頭細胞内の生理変化を調べるために、微細構造の変化を超高圧電顕トモグラフィーにより解析した。その結果、受粉前の乳頭細胞では、液胞が中心液胞と管状あるいは小胞状液胞からなる複雑なネットワーク構造を形成していること、和合受粉後その構造が花粉接触部位に向かって方向付けられること、アクチンの重合阻害剤サイトカラシンは和合受粉の吸水・発芽を阻害すると共に、液胞構造にも影響を及ぼすことが示された。このことから、和合受粉への液胞の関与が示唆された。今後、その他のオルガネラについてもGFPイメージングと組み合わせて解析を進めていく予定である。 2.「和合シグナル」情報伝達系の解明 これまでの解析により「和合シグナル」により乳頭細胞では細胞内Ca^<2+>濃度の変動、細胞外への水とCa^<2+>流出、アクチンの重合・束化促進などの生理変化が誘導されることが示された。そこでこれらの生理変化に関与する遺伝子を同定するために、受粉直後と受粉後15分の柱頭、あるいは無処理の柱頭と花粉表層物質塗布後15分の柱頭、シクロヘキサン処理(花粉表層物質除去)花粉による受粉直後と受粉後15分の柱頭をもちいて、マイクロアレイによる発現遺伝子変動解析を行った。その結果、「和合シグナル」を含むと考えている花粉表層物質により、カルシウムシグナリングに関係する遺伝子や極性輸送に関与すると考えられる遺伝子が多数発現誘導されていた。今後、これらの遺伝子の和合受粉過程における機能について明らかにしていく予定である。
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